プッシー・ライオットのマーシャとナージャ、ロシア政府を欧州人権裁判所で起訴

プッシー・ライオットのマーシャとナージャ、ロシア政府を欧州人権裁判所で起訴

プッシー・ライオットのマリア(マーシャ)・アリョーヒナとナジェージダ(ナージャ)・トロコンニコワは、2012年にパンク・ロック・イヴェントを行って逮捕されその後投獄されたことについてロシア政府を訴えることが明らかになった。

マーシャとナージャはそれぞれに12万ユーロ(約1644万円)を賠償金として請求していて、訴訟費用として1万ユーロ(約137万円)も要求しているとザ・ガーディアン紙が伝えている。二人は1年と9か月実刑に服したが、昨年12月に全国的な恩赦の一環で釈放されることになった。

二人の法的代理人を請け負っている人権団体アゴラ代表のパーヴェル・チコフは次のように語っている。

「二人は公平な裁判をロシアでは受けられませんでしたから、今回ようやく公平な扱いを受けるためにヨーロッパの人権裁判所に訴え出ることにしたのです。それと二人はたとえロシア人でもあっても、微妙な政治的問題について、多数を代弁する意見でなかったとしても発言することは許されるという先例を示したいのです。この裁判は発言や表現の自由を問うものであり、まずなによりも公平な裁きというものを求めるものなのです」

また、マーシャとナージャは英語のツイッター・アカウントも先頃立ち上げていて、5月に行った最初のツイートで次のようにロシアの検閲制度について皮肉っていた。

「ロシアは中国やイランとは今のところはまだ違っているから、まだツイッターも使えるし、せっかくだから英語でも発信してみることにしたの。というわけで、みんなこんにちは!」

その後の二人はウォール街、プーチン大統領への嫌悪感をツイートし、さらにキャピトルヒル(アメリカの議会議事堂があるワシントンDCの高台の一帯)のことを「キャピトルヘル」(議事堂地獄)と揶揄してみせている。

釈放後、マーシャとナージャは人権擁護や政治活動を続けていて、「法律地帯」という意味のゾーン・プラヴァという団体を立ち上げている。立ち上げの際、ナージャは「我が国で服役囚の人権が冒され続けている限り、わたしたちの団体が必要であり続けるはずだと思います」と宣言していた。

ナージャとマーシャはエカチェリーナ(カーチャ)・サムツェヴィッチらとともにプーチン大統領とロシア正教会への抗議を表明するパンク・ロック・ライヴを行い、2012年8月に騒乱罪を問われ2年の禁固刑を言い渡されたが、ソビエト崩壊後のロシアの憲法制定20周年を記念して昨年12月に行われたロシア議会の恩赦により釈放が決定した。

(c) NME.COM / IPC Media 2014

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