ノエル・ギャラガー、労働者階級の声を代弁するようなバンドが出てこないと嘆く

ノエル・ギャラガー、労働者階級の声を代弁するようなバンドが出てこないと嘆く

2月に新作『チェイシング・イエスタデイ』をリリースするノエル・ギャラガーは、アークティック・モンキーズやカサビアンがワーキング・クラスの後進バンドを触発していないとして、彼らに「ふがいない」と苦言を呈している。

BBCラジオの番組『マスター・テープス』の取材に応えたノエルは、今ではもう労働者階級を代弁するような存在はいなくなったと語っていて、特に音楽業界は中流が支配的になったと語っている。現在のイギリスのシーンは健全かと思うか、あるいはなにかインスピレーションを必要としているのかという問いにノエルは次のように答えている。

「チャートを眺めてみるか、90年代末に起きたことを振り返ってみればよくわかることだよ。あれだけのバンドがトップ10に入ってたんだからね、マニックス、パルプ、ザ・ヴァーヴ、スウェード、ブラーとね。でも、もう今じゃもうそういうバンドは追いやられて、脇に押しやられてるんだ。それから『X・ファクター』とかそういうこともいろいろあって、イギリスから登場した最後の偉大なバンドといったらどれになるのかよくわからないくらいだから。過去10年でたいしたバンドが出てきてないんだよ」

成功と知名度でいえば、ワン・ダイレクションがそれに相当するかもしれないと振られるとノエルは次のように語っている。

「連中はバンドじゃなくて、ただのグループだからね。せいぜい頑張ってもらいたいところだけど。アークティック・モンキーズとカサビアン、10年前といったら、この二つになるけど、そもそもこの二つのバンドはどっちも自分たちに続くバンドを触発できてないんだから、情けないよね。もう労働者階級を代弁する声なんてないってことだし、低所得者向けの住宅から聴こえてくるような感じなんかももうないよね」

「音楽は本当に中流的なものになっちゃってるよ。これが90年代だったら、俺だってバスティルなんてクソミソにやってつけてただろうし、インタヴュー1本だけで完膚なきまでに叩き潰して二度と誰の眼の前にも現れないようにしてやったはずだよ。そんなことは朝飯前だぜ。うちのベーシストがこの辺をうまく言い表してて、つまり、俺たちはいつも『次のバンドはどこからくるんだ?』って口にしてるわけだけど、うちのベーシストの話では『っていうか、バンド云々の前の話だから。やる気のあるやつはどこ行っちゃったんだ?』っていうね」

「俺が駆け出しだった頃は、俺は本当にチャートに入ってすべてをぶっ壊したかったんだ。フィル・コリンズとかウェット・ウェット・ウェットとか、そういうものをすべてお払い箱にしたかったんだよね。もう要らないからって、ああいう80年代のものは賞味期限切れってことでね。でも、今は労働者階級的なものはなにも俺には見えてこないよ。俺にはまったく見えないね」

(c) NME.COM / IPC Media 2014


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