ザ・ビートルズ、ジョージの書簡からスタックスでのレコーディング計画の新事実浮上

ザ・ビートルズ、ジョージの書簡からスタックスでのレコーディング計画の新事実浮上

ザ・ビートルズのジョージ・ハリスンが1966年にアメリカのラジオDJのポール・ドリューに宛てて書いた手紙が公開され、ビートルズが数多くのR&Bやソウルの名レコーディングを生み出したスタックス・レーベルのスタジオでレコーディングすることを企画していたことが明らかになっている。

これまでスタックスでのレコーディングについては元スタッフらからビートルズによるブッキングがあったという証言が行われており、結局、取りやめになった原因については「セキュリティーの問題」とされていたが、ジョージは今回の手紙の中で金銭面でのこじれのせいで話が流れたということを明らかにしている。

ポール・ドリューはアトランタで活動し、大きな影響力を誇ったDJで、ビートルズの1964年と65年の世界ツアーに同行し、インタヴューも頻繁に行い、その後のビートルズの解散の後にも各メンバーとのインタヴューを行っては放送するなど、ビートルズとのメンバーとの密な関係を保ったことで知られている。手紙は『リボルバー』制作中にドリューに宛てて書いたもので、アメリカ向けのコンピ盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』をまとめているところだともジョージは明らかにしている。手紙の内容は次のようなものになっている。

「ポールへ

とりいそぎレコードを受け取りましたという手紙です。どうもありがとう! エドウィン・スターは大好きだけど、エドウィンについての話はほとんど誰からも聞いたことがないんだ。アルバムとか出してるのかどうかわかる? ミセス・ミラーはちょっとやり過ぎな感じもあって、特に"Gonna Be Like That"にはジョンとポールでも勝てない歌詞のくだりがあるよ!

ここ数週間は作曲とレコーディングを続けていて、見本盤が出来たらすぐに送るようにするから。シングルは"ペイパーバック・ライター"といって、カップリング曲は"レイン"で、アメリカでは6月の4日か5日くらいに発売になるよ。今制作してるアルバムは8月くらいには出ると思うけど、ぼくの聞いた話ではキャピトルからそれまでにつなぎのアルバムを出すようで、『ラバー・ソウル』からの使ってないトラックや古い曲をいくつか、それと今作ったばっかりの新曲をいくつかを組み合わせていくようだよ。それと今思い出したけど、マル(・エヴァンス。ビートルズのアシスタントでツアー・マネージャー)の奥さんが女の子を出産したばっかりで、マルはこれにすっかり感激しちゃってるよ!

というわけで、ぼくもこれからすぐにスタジオに行くことになってて、ジョンとリンゴが迎えに来たら出かけるんだけど、いつも送ってもらっているレコードを本当にありがとう。みんなによろしくね。

これからもよろしく ジョージ(・H)

追伸 ニール(・アスピノール。ビートルズのアシスタントでツアー・マネージャー。マルの上役)、マル、アルフ(・ビックネル。ビートルズの運転手)、J・P+R、みんながよろしく言ってるよ!

追伸 ちなみにぼくたちがもうちょっとでメンフィスでジム・スチュワート(スタックスの創業者でプロデューサー)とレコーディングしかかったって聞いた? ぼくたちは全員やりたかったんだけど、『ビートルズ』と聞いただけで儲け話で頭がおかしくなっちゃう人が多過ぎて、それでぽしゃっちゃったんだ! ─またお便りします─G」

なお、手紙はドリューが2013年に亡くなった際、夫人が売りに出したものをコレクターであるジェフ・ゴールドが入手し、今回ゴールドはこれをロック・コレクター商品販売サイトのレコードメッカで売りに出している。

ジョージの手紙はこちらから。
http://recordmecca.com/products-page/museum-quality-collectibles/the-beatles-george-harrison-extraordinary-1966-letter-with-historical-relevation/
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