先頃、ロシアのプーチン大統領から電話があったとソーシャル・メディアで明らかにしていたエルトン・ジョンだが、実はこれがいたずら電話だったことが判明している。
自身も同性婚をしているエルトンは同性愛を擁護する発言や活動を行ってきたことでも有名で、ロシアで未成年への同性愛プロパガンダとなりうる活動を禁止する、いわゆる反同性愛法が2013年に成立したことについてプーチン大統領への批判も繰り返してきた。しかし、プーチンとの対話は積極的に望んでいるとBBCの取材などにエルトンはこれまで語ってきていて、「ぜひ会ってみたいし、向かい合って話し合ってみたいよ」と表明してきている。「サシでロシアにおけるLGBTの平等実現について語りたい」とも語ってきたが、「まずありえないんだろうね」とも話していた。
そこへこのいたずら電話がかかり、エルトンは自身のインスタグラムで次のようにプーチン大統領への感謝と喜びを14日に表明していた。
「ウラディミール・プーチン大統領、そちらから働きかけていただいて、本日のように電話でお話をさせていただくことになって本当にありがとうございます! いつかまた直にお会いして、ロシアにおけるLGBTの平等の実現についてお話したいと思います」
しかし、クレムリン(ロシア大統領府)はこの電話についてプーチンが電話をかけた事実はないと15日に発表し、その後16日になって、この電話をかけたのは実は自分たちだったとヴォーヴァンとレクサスというロシアで有名ないたずら電話コンビがコムソモリスカヤ・プラウダ紙に明らかにした。
ヴォーヴァンことウラディミール・クラスノフとレクサスことアレクセイ・ストリヤロフはロシアやウクライナの有名人や政治家へのいたずら電話で有名なコンビで、今回クラスノフはプーチンを演じ、英語を話せるストリヤノフはドミトリー・ペスコフ大統領報道官役を務め、実際のエルトンとの会話では、クラスノフがいったんプーチンとしてロシア語で喋ると、ペスコフ役のストリヤノフがそれを英語に通訳してエルトンに伝えるという手の込んだ芝居を打ったとか。
「プーチンがエルトンに会って話したがるなんてことはきっとなさそうだと思えたから」ちょっとかついでやろうと思い立ったと二人はプラウダ紙に語っていて、「かけてみたら、エルトン・ジョンは本当にプーチンからの連絡を心待ちにしていたようで、だから、ぼくたちが名乗った当人たちだと心から信じてたようだったよ」と振り返っている。
「エルトンは『ありがとうございます、本当に嬉しいです。今日のこの日とこの会話は、ぼくの人生の中でも最も素敵で素晴らしいものとなりました』とまで言ってくれたからね」
この時の会話の内容はすでにロシアのサイトで公開されているというが、「モスクワで開催されるゲイ・プライド(LGBT集会)に来いというのなら、もちろん行きます」とエルトンは承諾しているという。
なお、本物のぺスコフ報道官は大統領はいつでも質問に答える準備は出来ているが、エルトンからそうした働きかけは今のところ特にないと発表している。
一方、エルトンはインスタグラムで「いたずらは面白い。しかし、ホモフォビアはまったく面白くない。僕はロシアが好きだし、LGBTの権利についてプーチン大統領と話したいという提案に変わりはないよ」、「今回の残念な事件をきっかけに、この極めて重要な問題に再び注目が集まることになるのなら、僕は騙されたことをハッピーに思う」とコメントしている。