ナッシング・バット・シーヴス、待望の初単独来日! 熱狂の1/18東京公演を速報レポート

ナッシング・バット・シーヴス、待望の初単独来日! 熱狂の1/18東京公演を速報レポート

2015年10月にフル・デビュー・アルバム『ナッシング・バット・シーヴス』をリリースしたナッシング・バット・シーヴスが、東京・大阪を回る初の単独来日公演を敢行した。

RO69では、昨夏のサマーソニック出演に続く来日公演となった昨日18日、東京・shibuya duo MUSIC EXCHANGE公演のオリジナル・レポート記事をお届けします。

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【ナッシング・バット・シーヴス @ shibuya duo MUSIC EXCHANGE】

「SUMMER SONIC 2015」では、デビュー・アルバム発表前にも拘わらず全体で2番目に大きなキャパシティのMOUNTAIN STAGE(大阪・東京共通)へと大抜擢出演を果たした、英エセックス出身の5ピース=ナッシング・バット・シーヴス。10月にいよいよセルフ・タイトルのアルバムをリリースすると、タイトなスケジュールで欧州各地を巡ってきた。2016年が明けてからも春のUKツアー目掛けて邁進しており、日本では東京・大阪での公演が組まれた。その初日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEである。

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ“Feel Good Hit of Summer”が鳴り響く中、オーディエンスの熱気を浴びるようにドム・クレイク(G)、フィル・ブレイク(B)、ジェームス・プライス(Dr)、ジョー・ラングリッジ=ブラウン(G)、そしてコナー・メイソン(Vo)の5人が姿を見せる。ジェームスのタムロールが転がってアコギを抱えたコナーがゆらゆらと身体を揺らし、幽玄のイントロに導かれるオープニング・ナンバーはアルバム同様“Excuse Me”だ。やはりナッシング・バット・シーヴスと言えばコナーの歌声のインパクトが絶大で、挑戦的な逃避の物語を伝えるスリリングな表現力が素晴らしい。ただ、楽曲がヒートアップする中でジョーも叫ぶようなコーラスを投げかけ、フィニッシュした瞬間に巻き起こされる割れんばかりの大喝采には、思わずコナーも嬉しさ半分、狼狽半分といった表情を見せていた。

ドムのギターリフがクラップを誘って向かう“Itch”、コナーの緊迫感漂うファルセットが効いたアドリブ歌唱からの“Hostage”と楽曲を繰り出して、豪快にグルーヴを練り上げてゆく5人。正直に言うと、サマソニ時は荒削りな若者ロック・バンドに怪物的なヴォーカリストがいる、といった印象だったのだが、欧州ツアーの成果だろうか、短期間のうちに一枚岩バンドとしての迫力を増してきている。世界への違和感・不快感を論理的に解き明かすのではなく、まずは衝動的にダイレクトにその感覚を伝えようとするこの若手5人組の表現スタイルには、バンドとしてのダイナミズムが必要不可欠だ。その点で、静から動へと移行する瞬間に激しく金髪を振り乱し、ギターの爆音を決壊させるジョーは、コナーに負けず劣らずアイコニックな存在として目に映った。

オーディエンスのレスポンスが素晴らしいせいか、感謝の言葉を投げかけてからの“Honey Whiskey”はますます自信に満ち溢れたパフォーマンスになっている気がする。個人的に、この夜のステージで白眉の一曲と思えたのが、沸々とドラマティックに、鬼気迫るようなサウンドと歌声で届けられた“Graveyard Whistling”だ。バンドのポテンシャルを引き出すための作曲に唸らされる。“Drawing Pins”のように、ギタリスト2人が音の間を置くタイプの楽曲では少しリズム隊のアラが目立つところもあるけれど、コナーはひっきりなしに「盛リ上ガッテマスカー!?」「日本ダイスキー!!」と言葉を投げかけ、幸福なヴァイブを噛み締めているように見えた。

そんなコナーのファルセットが存分に活かされた、“If I Get High”辺りの美曲もこのバンドの大きな魅力だ。このときばかりは、90年代レディオヘッドの名曲“High”がオーバーラップするような手応えがあった。クレッシェンドするサウンドが歌の情緒を増幅させる。“Painkiller”では一転して性急な爆走を繰り広げ、メンバーが密集隊形でサウンドを加熱する。「一緒にでかい声で歌ってよ! いい!?」と呼びかけるナンバーは“Trip Switch”。直情的なダンスを踊るコナーの姿からも興奮ぶりが伝わって来る。「かつてないショウだよ! 本当にどうもありがとう!」と辿り着いた一曲は、ナッシング・バット・シーヴスとしての王道を描き出してみせる“Wake Up Call”。僅か40分ほどの本編だったけれど、不思議と充実感を抱かせるステージだ。

アンコールの催促に応えると、バラの花を口に咥えておどける上機嫌なコナー。ここでは、ドムとジョーによるギター伴奏のみで、穏やかに優しく“Lover, Please Stay”が届けられる。そしてフィリップとジェームスも戻ってきたところで、不敵な節回しを響かせる“Hanging”だ。「なんてすごい夜なんだ! 必ず、また戻ってくるよ!」とコナーは頼もしいファンと約束を交わし、最後には怖いもの知らずの新世代バンドとしてがっつりとフロアにコーラスを委ねる“Ban All the Music”だ。才能豊かなバンドと、熱いファンによる相乗効果の興奮が、ずいぶん長いこと余韻を引きずる夜であった。(小池宏和)

SETLIST
01. Excuse Me
02. Itch
03. Hostage
04. Honey Whiskey
05. Graveyard Whistling
06. Drawing Pins
07. If I Get High
08. Painkiller
09. Trip Switch
10. Wake Up Call

En1. Lover, Please Stay
En2. Hanging
En3. Ban All the Music
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