ディアンジェロ、来日ツアーがスタート! 熱狂の3/28初日公演を速報レポート

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およそ15年ぶりの新作となった「ディアンジェロ・アンド・ザ・ヴァンガード」名義のオリジナル・アルバム『ブラック・メサイア』を2014年末にリリースし、サマーソニック2015への出演で来日を果たしたディアンジェロが、再び関東・関西の2都市を周るジャパン・ツアーを敢行している。

RO69では、ソールドアウトとなった同ツアー初日、昨日3月28日(月)パシフィコ横浜 国立大ホール公演のオリジナル・レポート記事をお届けします。

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【ディアンジェロ @ パシフィコ横浜 国立大ホール】

サマーソニック2015(とZepp Tokyoでの単独公演)における待望の初来日ステージから半年ちょいというところで、またディアンジェロを観ることができるとは。3月28日・パシフィコ横浜と、3月29日・大阪国際会議場の2公演がスケジュールされた今回のジャパン・ツアー。その横浜公演を観た。『ブラック・メサイア』がリリースされたときもそうだったし、もっと言えば『ヴードゥー』のときもそうだったのだが、ディアンジェロの音楽はその革新性ゆえに、敷居の高さが云々されたりもしてきたのだけれど、とりわけライヴに関しては、極めて根源的で開放的なエンターテインメントに他ならない。

開演時間を迎えると、「準備のために」スタートが遅れる旨のアナウンスが流れる。多くの来場者は勝手知ったるといった様子で、ヒューヒューと囃し声を上げたりしていた(普通に怒ってもいいと思うけど)。待つこと約1時間、“Workinonit”を皮切りに、J・ディラ(彼が亡くなって10年目の春だ)のトラックの数々がSEに用いられ、いよいよというムードが高まってきた。そしてバンド・メンバーと共に姿を見せた黒ずくめ衣装のディアンジェロが大歓声を浴び、スモーキーなサウンドで放つのは“Devil's Pie”。ディアンジェロは早速ハットを放り投げ、爆発的なコーラス・リフレインをくぐり抜けて歌声を届けてくる。

今回の来日メンバーは、『ブラック・メサイア』にも参加した元ザ・タイムのジェシー・ジョンソン(G)、アイザイア・シャーキー(G)、クリス”ダディ”デイヴ(Dr)、ジャーメイン・ホルムズ(Cho)。そしてもう一人の男性コーラス=チャールズ“レッドミュージック”ミドルトン。ベーシストは父ピノ・パラディーノからバトンを譲り受けたロッコ・パラディーノ。キーボードはボビー・スパークスで、彼はこの1月にもクリスのバンド・メンバーとして来日しており、RHファクターやセイント・ヴィンセントの作品にも参加している。

ゴリッゴリのファンキー・リフに導かれるのは、ファンカデリック“Red Hot Mama”のカヴァーだ。ファンク・サインのハンド・ウェーヴが客席一面に揺れる。ディアンジェロ自身もギターを握るトリプル・ギターのパフォーマンスであり、ジェシーによるブルージーなインプロも思うさま火を吹く。ロバータ・フラックの“Feel Like Makin' Love”がまたファンキーなアレンジであり、ステージ前方に進み出てご機嫌に身体をシェイクしてみせるディアンジェロである。シームレスに強烈なグルーヴが連なるオープニングだった。

一転して、厳かなストリングス風シンセに導かれるのは、新作から“Really Love”。アイザイア・シャーキーがアコギで情緒豊かなギターを添え、ハットを被り直したディアンジェロは切々としたソウル・ヴォーカルで歌い上げてゆく。そして、「拳を上げてくれ」と呼びかけ、沸々と高まるエモーションを解き放つのは“The Charade”。不屈の、しなやかな意志がクレッシェンドし、自然にオーディエンスを巻き込んでゆくようだ。

クリス・デイヴによる鋭角なビートが牙を剥く“Brown Sugar”のバンド・アレンジに触れると、ディアンジェロがシーンの先頭に、それも最高のスタイルで戻ってきたのだ、という実感が押し寄せてくる。サマソニ時とは違って女性コーラスもホーンセクションも不在だが、生演奏の玄妙なタッチや抑揚を孕んだ反復グルーヴに、高揚感がとめどなく溢れる。BPM速めのスマートなサウンドで、腕を左右上下に振るアクションを誘う“Left And Right”に続いては、ハンドマイクのディアンジェロがひたすら煽りまくり、アドリブのカウント遊びまでを駆け抜ける“Chicken Grease”である。オーディエンスを熱狂の渦に叩き込んだまま、本編を締めくくった。

アンコールの催促に応えて一人で再登場したディアンジェロは、ゆったりとエレピを奏でながら「……ヨコハマ」と語りかけて最大級の喝采と笑い声を誘う(本編ではひたすら「トーキョー!」「ジャパーン!!」と煽り立てていたのだ)。そして「I feel so good. I love you. アリガトー」と披露されるのは、感涙の名バラード“Untitled (How Does It Feel)”。途中からバンド・メンバーも再登場して演奏に加わり、ディアンジェロは渾身のソウルフルなシャウトを飛ばす。

そして、クリス・デイヴを先頭に、メンバーが一人ずつステージを後にする切ないフィナーレへ。ロッコ・パラディーノは、父の後釜という大役だったし、何よりもクリスとのコンビネーションが大変そうだったが、ディアンジェロとがっちり握手を交わして、最後に退場する。再び一人になったディアンジェロは、コーラスを満場のオーディエンスに預け、大歓声を浴びながら立ち去った。会場から出ると激しい雷雨でびっくりしたが、グルーヴの火照りが、メロディの余韻が、雨に流されることはなかった。(小池宏和)

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