【グラストンベリー】46年間の歴史丸わかりエピソード集前半:1970年~1994年

【グラストンベリー】46年間の歴史丸わかりエピソード集前半:1970年~1994年

1984年
ザ・スミスがヘッドライナーに登場し、ピラミッド・ステージのヘッドライナーはメジャーな人気バンドが務めるべきかどうかという論議を呼ぶことになった(その他のヘッドライナーはウェザー・リポートとブラック・ウフル)。当時の写真ではザ・スミスは確かに心許ない様子で、ジョニー・マーはこの時の出演について「まだ力不足だった」と振り返っている。しかし、ステージ前には10代の観客が押しかける騒ぎとなり、マイケル・イーヴィスは「あれがフェスとしてのひとつの転換点だった」とBBCに語っている。

1985年
グラストンベリーの規模が拡大したことにより、この年からは隣接するコックミル農場の敷地も会場用地に併合することになり、100エーカーほど広くなることになった。また、この年は大雨に見舞われたが、マイケル・イーヴィスは「泥んこ状態になっても、きちんと運営できることがわかってとても満足しているよ」と語った。その後も泥だらけとなった年が頻繁に続いたため、抱負として言い得て妙だった。

【グラストンベリー】46年間の歴史丸わかりエピソード集前半:1970年~1994年

1986年
この年はザ・キュアーがヘッドライナーを務めたが、グラストンベリーの音楽的な多様性を象徴するかのようにクラシック音楽のテントもこの年から始まった。クラシック・テントの初代キュレーターは『ジョーズ』、『E.T.』、『シンドラーのリスト』など、映画音楽でも著名な作曲家ジョン・ウィリアムズだった。他の出演者はマッドネス、ザ・ポーグスなど。

1987年
もともと1500人ほどの集客だったグラストンベリーだが、年々参加者は増え、この年には6万人もの集客を誇るようになっていた。なお、現在では17万を超えている。この年の出演者はエルヴィス・コステロ、ヴァン・モリソン、ニュー・オーダーなど。


1989年
1988年は開場の整地のため開催されなかった。殺害予告があったため、1989年に初日のヘッドライナーを飾ったスザンヌ・ヴェガは、自身のベーシストとともに防弾チョッキを着用しての出演となった。しかし、殺害予告は無事、予告のままに終わることとなった。

1990年
初開催から20周年を迎え、もはや知らない人はいない大型フェスへと成長。演劇やパフォーマンスの会場も備えるようになり、正式名称も「グラストンベリー・フェスティバル・フォー・コンテンポラリー・パフォーミング・アーツ」と改められることになった。現代サーカスのはしりともなったフランスのサーカス・カンパニー「Archaos」がピラミッド・ステージで初日と2日目に公演を行い、どちらも観客7万を越えることになっただけでなく、警備も一段と厳しいものになった。

【グラストンベリー】46年間の歴史丸わかりエピソード集前半:1970年~1994年

1992年
国際環境NGO「Greenpeace」と「Oxfam」のための募金が始められたこの年、最後までスペシャル・ゲストとして伏せられて発表されたアーティストがいて大きな関心を呼んだ。ゲストは、べテラン歌手のトム・ジョーンズだったという。

1993年
ジョン・フルシアンテ脱退後にアリク・マーシャルをギタリストに迎えてツアーを継続していたレッド・ホット・チリ・ペッパーズがヘッドライナーに予定されていたが、フリーが過労で倒れたため中止に。ピンチヒッターをレニー・クラヴィッツが務めることに。


1994年
開催2週間前にメイン・ステージであるピラミッド・ステージが火事で焼失したが、急遽仮ステージが建てられて開催にこぎつけることになった。また、テレビ番組「Channel 4」でもフェスの模様が放送され、ますますグラストンベリーの認知度を広めることになった。

ただ、フェス始まって以来最初の死者が出たのもこの年で、原因は薬物の過剰服用によるものだった。また、マニック・ストリート・プリーチャーズはセカンド・ステージであるNMEステージに出演したが、ステージでベースのニッキー・ワイアーが泥沼と化した客席ゾーンについて「このクソ溜めの上にバイパスを通すべきだよな」と発言。グラストンベリーの会場は放牧地のため、雨が降ると牛糞を大量に含んだ泥となってしまうことを面白可笑しく言い放ったつもりだったが、まったく受けなかった。

その後、ニッキーはこの時のことを「冗談のつもりだったんだよ。言いながら、『こいつは爆笑もんだ』って思ってたんだけど、ほとんど死に近いような凍りついた沈黙に辺りは包まれたんだ」と回想している。



「47年間の歴史を振り返る!エピソード集後半:1995年~2016年」は明日掲載。この20年の間にどんな事件が起こったのか、ぜひ読んでいただきたい。

参照:英「ギグワイズ」/グラストンベリー・フェスティバル公式サイト
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