『コウノドリ』が帰ってきた! 相次ぐ緊急事態に綾野剛&星野源ら大活躍の第1話をレポ

2015年にTBS系にて放送された綾野剛主演のドラマ『コウノドリ』。2年ぶりとなる続編が10月13日にスタートした。

前回に続き、本作の舞台となるのはハイリスクな出産や妊娠を扱うペルソナ総合医療センター。そこで働く産婦人科医、鴻鳥サクラ(綾野剛)を中心に、産科医の四宮春樹(星野源)や下屋加江(松岡茉優)、助産師の小松留美子(吉田羊)、更には新生児科の今橋貴之(大森南朋)と白川領(坂口健太郎)らがひとつのチームとなって、困難な出産に取り組んでいくヒューマン医療ドラマである。

第一話は、離島で診察している恩師のもとを訪れていた鴻鳥先生と久しぶりに会った医師らの和気あいあいとしたやり取りがシーズン2開始の喜びとリンクしつつも、スタートからわずか10分で2人の妊婦が同時に緊急帝王切開で出産するという驚きの展開に。しかし、これぞ『コウノドリ』の真骨頂。ペルソナ総合医療センターで働く彼らが、命がけで出産に挑む母親や赤ちゃんに「がんばれ、がんばれ」と呼びかける時、観ているこっちもギュッと拳を握りしめながら「がんばれ、がんばれ」と心の中で叫ぶ、そんな緊張感と温かさが入り交じる時間が再び始まったのだ。

出産のために仕事から離れるジレンマを抱えた妊婦役に高橋メアリージュン、耳が不自由な妊婦役に志田未来がゲスト出演した今回。それぞれに置かれている状況は違えど、これから母親になるという漠然とした不安と、「それでも産みたい」という気持ちの狭間で揺れ動くリアルな感情を描き出した。特に、これから子供が生まれてくるというのに全く自覚が足りない様子の父親(演じていたのはナオト・インティライミ)に向かって四宮先生が「『手伝う』じゃないだろ、あんたの子供だよ」ときっぱり言ったシーンは世の多くの母親にとって共感の嵐だったはず。そして耳が聴こえない母親の出産では、本来ならば赤ちゃんの大きな泣き声が聞こえてくるはずのシーンで静けさを演出し、視聴者にも当事者のリアリティを呼び起こさせた。

「出産は、奇跡だ」――それだけだったら、ただの綺麗事に聞こえるかもしれない。だけど赤ちゃんが生まれた瞬間から、待ったなしでスタートする「奇跡」の後の「現実」に向き合う親や医師たちの奮闘ぶりが今後も見どころ。とことんシリアスな状況の中で命と向き合う人びとの生々しい感情のやりとりを、2年という歳月を経てよりパワーアップした役者たちがどう演じてくれるのかが楽しみだ。今シーズンからチームに加わった研修医の赤西吾郎(宮沢氷魚)にも注目!(上野三樹)