2014年のバンド脱退以前に性的暴行を受けていたとアリス・グラスから名指しで糾弾されていたクリスタル・キャッスルズのイーサン・キャスだが、アリスに対し名誉棄損などで訴えを起こしたことが明らかになっている。
アリスは10月に自身のオフィシャル・サイトでイーサンからレイプなどの性的暴行を受けていたことを発表しており、イーサンから「初めて弄ばれるようになったのは15歳の時だった」と告発。「イーサンからはセックスを強要されていました。さもないともうバンドにはいさせないといわれて」とセックスや性的暴行を強要され続けていたことを糾弾し、14年にクリスタル・キャッスルズを脱退したのもそのせいだったとしている。
これに対してイーサンは「アリスの話は完全にフィクションだ」と反論した上で、裁判所に訴えを起こしている。
「Pitchfork」によれば、その訴状の中でイーサンはアリスの発表のせいで「精神的苦痛を受けた」としていて、アリスの行いは「業界における自分(イーサン)の定評と業績を損ない、クリスタル・キャッスルズを破滅させ、ひいては彼女のキャリアを底上げするために行われたものだ」としている。さらにアリスが現在交際している元ヘルスのジュピター・キーズとふたりでイーサンの名を貶めようと「姑息にも算段していた」ことも訴状では触れられているという。
10月のアリスの発表の後、クリスタル・キャッスルズはマネジメントのC3 Managementとライブのブッキング(興行手配)代理店のParadigmからも契約を打ち切られたこと、バンドの北アメリカ・ツアーが中止に追い込まれたためすでに30万ドル(約3400万円)以上もの損失を被っていることをイーサンは訴状で明らかにしている。
その後、イーサンは次のように新しい声明を発表している。
アリスとぼくは個人的にも、仕事の上でも長い間、関係を続けてきました。アリスが自身の精神的な問題や薬物依存の問題を乗り越えるため突然クリスタル・キャッスルズをやめた時にもぼくは全面的にアリスを後押ししました。自身の健康のためのアリスの努力はこれからも応援し続けますが、彼女が脱退して新たに成功したこのバンドに対する金銭の強要、虚偽の請求や言い掛かりに対しては一切応じられません。