ロード、イスラエル公演の中止を発表。多数の中止要請を受け再考の末決断したと明かす

ロード、イスラエル公演の中止を発表。多数の中止要請を受け再考の末決断したと明かす

ロードが2018年の6月5日に予定していたイスラエル公演を中止したことが明らかになった。

イスラエルのテルアビブでの公演を予定していたロードは、反イスラエル運動BDSなどからの公演中止要請を受け、再考の結果最終的に公演を中止とすることを発表した。

ロードは先日、「たくさんの人たちとこの件について話をして、色々な選択肢を考えているところ。私に知識を授けてくれてありがとう。勉強の毎日だわ」とツイートし、イスラエル公演を中止すべきか否かを検討している最中であることを明かしていた

反対意見はBDS(ボイコット・資本引き上げ・制裁運動)が主導したものだが、ニュージーランド在住のナディア・アブ・シャナブとジャスティン・ザックスという2人の女性はニュージーランドのメディア「The Spinoff」を通じて公開書簡を発表し、ロードに以下のような呼びかけを行っていた。

ロードへ わたしたちはアオテアオラ(マオリ語でのニュージーランドの呼称)に住んでいる女性2名です。ひとりはユダヤ系、ひとりはパレスチナ系です。

現在、数百万にものぼる人たちがイスラエル政府の抑圧政策、民族浄化政策、人権侵害、占領政策と差別政策に反対の意を唱えています。こうした抵抗闘争の中で、こうした犯罪行為を糾弾していくうえで、経済的、知的、芸術的ボイコット運動は有効だと私たちは考えています。こうしたやり方は南アメリカのアパルトヘイト政策に対しては大きな効果を上げたので、今回もそうなることを願っています。

私たちは今日の不正義に立ち向かっていくため、大きな役割を担えるかもしれないのです。あなたの先達の前衛的なニュージーランド人に倣って、あなたもその遺産を受け継いでいくようにお勧めします。


こうした声を踏まえ、ロードは以下のようなメッセージと共にイスラエル公演の中止を発表した。イスラエルの英字新聞「The Jerusalem Post」のレポーター、エイミー・スパイロがTwitterで公開したロードによるメッセージは以下の通り。


イスラエル公演のことなんだけどーー想像してた以上にたくさんのメッセージや手紙を受け取って、それぞれに色々な意見を持った人たちと何度も話し合いをして、現時点では公演を中止することが正しい決断だという結論に至りました。

ニュージーランドの若者としてしっかりと知識を持っておくべきだと思っているから、公演を決める前には色々な資料を読んで、色々な意見があることを調べていたことは確か。でも、今回は正しい決断ができていなかったかもしれないわ。

美しいテルアビブを訪れることは数年越しの夢だったから、自分がそこで演奏するという約束を覆すことになってしまって、心から残念に思っています。いつの日か、私たち皆が一緒にダンスできることを願っています。


なお、トランプ米大統領によりイスラエルの首都をエルサレムに認定するという宣言が行われて以降、ニュージーランドではテルアビブでの公演の見送り要請の声がより大きくなっているようだ。

トランプ大統領の宣言に対しては、アーティストや俳優らを含めさまざまな業界から反対の要請が行われている。ロジャー・ウォーターズブライアン・イーノ、ティルダ・スウィントン、マーク・ラファロ、ケン・ローチらを含め、反対の立場を表明している人々のリストは「The Guardian」の記事に掲載されている。
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