オリジナル・メンバーのジェームス・イハとジミー・チェンバレンを迎え、1991年の『ギッシュ』から2000年の『マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド』までの楽曲を軸とするセットのツアーに7月から乗り出すスマッシング・パンプキンズ。
同ツアーに不参加のダーシー・レッキーについて、ビリー・コーガンが「かれこれ19年間、一緒の部屋で過ごしたこともない」と語っている。
バンド結成30年を記念した今回のラインナップはビリーと2007年の再結成から加入したギターのジェフ・シュローダーに加え、オリジナル・ギタリストのイハ、さらにオリジナル・ドラマーのジミーが加わり新作制作も見据えた活動になるが、オリジナル・ベーシストのダーシーは不参加だということが明らかになっている。ツアーでベーシストを務めるのは、ニュー・オーダーのピーター・フックの息子、ジャック・ベイツだ。
メタリカのラーズ・ウルリッヒが司会を務めるApple Musicのラジオ「Beats1」の番組、「It's Electric!」に出演したビリーは、ダーシーとの合流が決裂してしまった経緯について次のように説明している。
ああいうことを発表する前にぼくは2年間かけて人間関係の修復に努めたわけで、だけど、ダーシーと一緒の部屋で会おうとする度に……つまり、結局ぼくはもうかれこれ19年間ダーシーと同じ部屋で過ごしたこともないわけなんだよね。
電話で話がこじれちゃって、こっちは「こういうこともできるし、こういうこともできるし、どう思う?」って伝えようとしてるんだよ。ずっと快活に対応して、これはすごいね、やばいねって話が進んでも、最終的にダーシーの思った通りの形にはならないとわかってくると、昔のことを思い出させる別なものへと変わってしまったんだ。
ビリーは最初から自分にフルタイムでベースをやらせるつもりはなかったのだろう、というダーシーの意見など、ふたりの言い分の食い違いはネット上でも取り沙汰されている。しかし今回、ビリーはダーシーとの対立の詳細に触れるのを避け、以下のように語っている。
もうゴシップ・ネタとして報じられちゃってるから、これについてなんか言えば言うだけゴシップとして火に油を注ぐことになっちゃうんだよ。
結局、自分の方向性を失わせないでくれるのは音楽と、それとぼくたち3人が集うとどういうわけか、ぼくなんかを凌駕する大きさの不思議なものが起きるわけで、ぼくはそのことを認めるのはやぶさかじゃないんだ。
そういうものに導かれるものじゃなかったら(オリジナル・メンバーとの再結成なんて)ただの企画倒れなリアリティ・ショーにしかならないんだよ。で、企画倒れなリアリティ・ショーの側面は今のぼくたちには要らないんだよ。
一方で、現在のラインナップでの新作制作については、プロデューサーにリック・ルービンを迎えて現時点で8曲制作したことがすでに明らかになっている。
もともと16曲分のデモを今回のメンバーで制作し、出来の良い8曲をリックに聴かせたところ、「リックは8曲を全部、取っておくことにしてくれたんだよ……ぼくたちはもう目をしばたたかせるだけって感じで。最初はシングルを作るだけなのかと思ってたからね」と語っている。
また20年ぶりの共同作業については、メンバーの様子にはこれまでとなにも変わりはなかったのだとも明かしている。
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