デンマーク出身のシンガー、MØ(ムー)にインタビュー! ディプロやソフィーへのリスペクトも語った2ndアルバム制作の裏話を公開

デンマーク出身のシンガー、MØ(ムー)にインタビュー! ディプロやソフィーへのリスペクトも語った2ndアルバム制作の裏話を公開

デンマーク出身のエレクトロニック・ポップ・シンガー、MØ(ムー)が、2作目となるソロ・アルバム『フォーエバー・ネバーランド』を10月24日にリリースした。

メジャー・レイザー&DJスネイクとのコラボレーション“リーン・オン”('15)で一躍ブレイクを果たした彼女だが、今作にはディプロを筆頭にチャーリーXCX、エンプレス・オブ、ハドソン・モホークなど現在のポップ・シーンを牽引するプロデューサー&シンガーがゲストで多数参加。

11月1日発売の『ロッキング・オン』12月号には今作で待望の日本デビューを飾った彼女に、その制作の裏側について語ってもらったインタビューを掲載しているが、ここでは『ロッキング・オン』に掲載できなかったアザー・ストーリーをお届け。

リリースされたばかりの『フォーエバー・ネバーランド』を聴きながら、お楽しみください。

インタビュー:天井潤之介
通訳:長沢朋子


●今作のコンセプトや音楽的なアイデアを教えてください。

「今回はロサンゼルスという、私にとっては普段と違う環境で、たくさんの人と組んで曲を作る、というやり方をしたから、それだけに、全ての曲を1枚のアルバムにまとめて、一貫性を持たせてくれる人を見つけることが大事だった。何も共通点がない曲がただ羅列されているだけ、みたいなものにはしたくなかったから。

そういう意味で、今回、スティント(ネイオ、ジェシー・ウェアバンクス)がアルバム全体のプロデュースを引き受けてくれて本当に助かった。ひとつひとつの曲を作ったのは私とソングライターだけど、サウンドに統一感を持たせてくれたのはスティントの仕事だったから。私としては、1枚のアルバムの中に、ポップな曲やバラードだけじゃなく、ちょっと変わった曲も入っているのがベストな構成だと思っていて。そこにその人らしさが出るものだし。そこは私もかなり意識した部分ね」

●とくに印象に残っている楽曲となると、どれになりますか。

「うーん、すごく難しい質問ね……。どの曲も、私にとってはかわいい我が子のようなものだから(笑)。でもどうしても1曲だけ、ということなら、“ブラー”かな。この曲は、メロディにも歌詞にもすごく思い入れがあるの。サウンドもすごく面白い感じに仕上がっているし。グランジ風のギターリフで始まるけれど、その後の曲のムードやテーマはM.I.A.にインスパイアされていて。私が好きないろんな音楽の要素が詰まった曲になっていると思う」

●“サン・イン・アワ・アイズ”を手がけたディプロとは互いをよく知る間柄だと思いますが、彼のプロデューサーとしての魅力はどういうところにありますか。

「彼が何よりすごいのは、常に前に進み続けていて、決して立ち止まらないところ。いつも新しいプロジェクトを立ち上げて、今までになかったアイデアを試している。

ビジネスの世界でも、今、新しいことを始める人は、彼のように“前に進み続ける、新しいことを試す”というのがキーワードだと思う。これはディプロが常に大事にしてきた価値観だと、見ていて感じる。そういうところを私もすごく尊敬しているし、私にとっては師匠のような存在ね」


●ディプロの他にも、フランク・デュークス(カニエ、ドレイク、ザ・ウィーケンド)やヌーニー・バオ(カミラ・カベロ、チャーリーXCX、カーリー・レイ・ジェプセンを始め、ポップ・シーンの第一線で活躍するプロデューサーが多数参加していますね。

「そうね、今名前が出たヌーニー・バオや、あとはイランジェロ(ドレイク、リッキ・リー、ポスト・マローン)みたいな人と組んでみて、自分もミュージシャンとしてもっとレベルを上げたいっていう、いい意味での欲が出てきたと思う。それは本当に、今回のアルバムで良かったところね。今の音楽シーンの流れを作っている人たちと組めたから。

ただ、今のトレンドや他のアーティストから学ぶのも大事だけど、その一方で、自分のインスピレーション源、核の部分をなくしては意味がないの。コンテンポラリーな要素を取り入れながら、自分を見失わずに、高いレベルに持っていくっていうことね」

●“ナイツ・ウィズ・ユー”(※日本盤ボーナス・トラックとして収録)を手がけているソフィーの名前も目を引きます。ソフィーはアヴァンギャルドとポップのミュータントのようなアーティストですが、彼女はどんなところが魅力的ですか。

「とにかく、自分らしさがあふれているところが好き。それに、何をやっても独創性があって、彼女にしかできないことを貫いている。たぐいまれな才能に恵まれていて、それは音楽的なところだけじゃなく、ヴィジュアル面、美へのこだわりも半端なくて。素晴らしいマルチ・アーティストで、ポップやアートの未来の姿を示してくれる存在だと思う。心から尊敬できるアーティストね」



『フォーエバー・ネバーランド』の詳細は以下。

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