Eveは果たしてどこまでいくのか? 新木場STUDIO COASTワンマンを観て

Eveは果たしてどこまでいくのか? 新木場STUDIO COASTワンマンを観て
「今日この景色を観て、あの時自分がやろうとしていたことは間違ってなかったと思った」
Eveは、会場を埋め尽くす、自分の楽曲を聴いてくれている人達の顔を見ながら、噛み締めるように言った。

11月4日、Eveのワンマンライブ「メリエンダ 追加公演」が新木場STUDIO COASTで開催された。「メリエンダ」とは、8月に、ワンマンとしては初となる東名阪で行われたツアーのタイトルだ。

昨年12月にアルバム『文化』をリリース、その後もYouTubeで再生回数が445万回を超えている“アウトサイダー”や、865万回再生超えの“トーキョーゲットー”などの新曲を発表。それまでは他のアーティストやボカロPの曲をカバーして歌ってきていたが、本格的に自作曲だけのアルバムとなった『文化』からは、その独特な世界観に磨きをかけ、よりEveというアーティストの存在感を大きくしている。

ワンマンでの初の東名阪ツアーとなった「メリエンダ」のファイナル公演となったTSUTAYA O-EASTを終え、追加公演が発表された新木場STUDIO COASTは、TSUTAYA O-EASTの約2倍のキャパシティとなる。この規模だけで見ても、かなりの飛躍だということは容易にわかる。でもそれは、今のEveにとっては不思議なことではないくらい、彼の認知度、実力ともにうなぎのぼりだということを物語っている。

しかし本人の口からは、今回の開催が「不安だった」という言葉が聞かれた。
ネット動画への投稿者として、画面越しにもらった反応は見ていたものの、現実味がなかったという。
だから、冒頭の言葉とともに、「今日こうやって歌えて、(みんなの)顔を見れて、やってきてよかった」、「ここに来てくれた人達と空間を共有できたことは奇跡」と、喋るのが下手だと言いながら、言葉を選ぶように丁寧に想いを伝えていた。

今やネット発のアーティストは珍しくないし、むしろネットの中にとんでもないポテンシャルを秘めた投稿者が大勢いる時代だ。Eveはその中のひとりであり、今、そしてこれからもっと注目を浴びる存在だろう。
だからこそ、こうやってライブをして、キャパを大きくしてひとりでも多くのリスナーの顔を見るということは、彼にとって、自分がしてきたことが正しかったという証明を実感できるものだし、自信に繋がるのだと思う。

Eveは、これからやりたいことを少しずつかたちにしていきたいと言う。
「1人の人間の考えはたかが知れているけど、ひとりひとりの考えはとても大事。それがぶつかった時に生まれるものにドキドキするしワクワクする」、「考え方に違いがあって、衝動的に生まれるものは予想外のもの。そういうものを絶対かたちにしたいと思う。これからも追い求めていきたい」と、自分以外の異なる考えや感性を、受け入れるのではなく「ぶつかる」と表現し、それが衝動となって生まれるものはきっと、誰も考えつかないようなものかもしれないと、こちらもそのドキドキワクワクして生まれるものがどういうものなのかと胸が踊った。

アンニュイ感漂う佇まいと歌い方が特徴だが、その心の奥では、まだまだこれからと、アグレッシブに制作意欲に燃えているEve。
来年2月にはニューアルバム『おとぎ』をリリースすることを発表。今回のライブでは同作に収録される新曲が2曲披露されたが、どちらも彼の世界観を貫きつつ、新たな風を感じる楽曲であった。
「ドキドキワクワクする瞬間を共有する空間を作っていきたい」
これからまたEveが生み出すものが、楽しみで仕方ない。(中川志織)
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