「これから我々は、どんどん先を見て――もっとたくさん曲も増えてくると思いますので。一回こういう忘年会的なことを、『メカラ ウロコ』っていう名前をやめてみようかと」……そんなふうに語る吉井和哉の言葉は、そしてこの日のTHE YELLOW MONKEYの4人の鳴らす歌とサウンドはすべて、19年ぶりのアルバムを完成させたバンドの「今」と「その先」を力強く指し示すものだった。
THE YELLOW MONKEY現ラインナップでの初ライブ記念日=12月28日に、普段のライブで日の目を見ない初期曲/レア曲/コア曲を演奏するライブシリーズ「メカラ ウロコ」。
再結成後も2016年・2017年と行われてきたこの「メカラ ウロコ」だが、今回の「THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ・29 -FINAL-」というタイトルには、歓喜に沸き立つ満場の観客も終始一抹の動揺を隠せない様子だった。
しかし、解散直前の「8」期の(吉井いわく「不穏な」)楽曲群も、妖気が滴るような初期のディープなナンバーも、時に20人編成のストリングスセクションも擁しながらハイエナジーな強靭さをもって響かせていく姿は、それ自体が圧倒的なロックの希望そのものだった。
アンコールではアルバムからいち早く新曲も披露していた「メカラ ウロコ・29 -FINAL-」。終演後、舞台頭上のスクリーンに映し出されたのは「THE YELLOW MONKEY 2019.12.28」、そして「30」の文字――。徹頭徹尾名場面の宝庫だったこの日のステージの模様は後日、改めてライブレポートで詳報します。(高橋智樹)
【速報】THE YELLOW MONKEY武道館、「メカラ ウロコ・29 -FINAL-」に「その先」への意志を観た
2018.12.29 10:45