デヴィッド・ボウイが1969年に発表したアルバム『スペイス・オディティ』の50周年を記念してリリースされる、当時の貴重なデモ音源などを収録した7インチ・シングル・ボックス・セット『スパイング・スルー・ア・キーホール』の詳細が発表された。
同ボックス・セットには、昨年12月に期間限定で一時的にストリーミング配信が行われていたが、フィジカル作品として正式にリリースされるのは今回が初となる。
“Space Oddity”の初期バージョンなどを含む未発表音源は、主にボウイのソロ・ボーカルと自宅でレコーディングされたデモ・パフォーマンスの音源となっているそうだ。
なお、ジャケットの写真は1968年の夏にトニー・ヴィスコンティのアパートでレイ・スティーヴンソンが撮影したものだという。
また、シングル盤のレーベル面のデザインは、ボウイが当時出版会社やレコード会社に音源を送る際に使っていたデモ盤のレーベルを復刻したものとなっており、中にはEMI DISCのレーベル面にボウイ直筆の楽曲タイトルが書かれたものも含まれているという。
『スパイング・スルー・ア・キーホール』は、4枚組で4月5日にリリースされる予定だ。
リリースの詳細、ならびに各楽曲の概要は以下。
●リリース情報
デヴィッド・ボウイ
『スパイング・スルー・ア・キーホール』
2019年4月5日(金)発売予定
輸入盤
発売元:Parlophone Records/Warner Music
【SINGLE 1】
Side A: Mother Grey (demo)
独立しようとしている巣立ちの時期の息子の姿を描いたミッド・テンポな楽曲
マルチ・レコーディングのボーカルやギター、そしてハーモニカをフィーチャーしたもの
Side B: In The Heat Of The Morning (demo)
ボウイ初期の楽曲としてはよく知られている1曲だが、こちらは最終版の歌詞が歌われたデモ・バージョンを収録
【SINGLE 2】
Side A: Goodbye 3d (Threepenny) Joe (demo)
1968年にレコーディングされた、非常にチャーミングなデモ音源。1970年にスコットランドのTV局で放映された『Pierrot In Turquoise』で披露された楽曲“Threepenny Pierrot”とは別の楽曲
Side B: Love All Around (demo)
喜びに満ちたラブ・ソング。今回のボックス・セットのタイトルはこの楽曲の一説、《I see a pop tune spying through a keyhole from the other room(他の部屋の鍵穴から、ポップ・チューンが忍び込んでくる)》からとられている
【SINGLE 3】
Side A: London Bye, Ta-Ta (demo)
初期のデモ・バージョン音源。後にリリースされたフル・バンド・バージョンと較べると、ヴァ―スの部分の歌詞が全く違うものになっている
Side B: Angel Angel Grubby Face (demo version 1)
唯一、以前からその存在を知られていた楽曲のデモ・バージョン
【SINGLE 4】
Side A-1: Angel Angel Grubby Face (demo version 2)
上の音源とは異なる歌詞が使われた、同楽曲の後期バージョン
Side A-2: Space Oddity (demo excerpt)
ボウイにとって最も有名な楽曲の一つでもある“Space Oddity”。このバージョンは、歌詞やアレンジメントの違いから、これこそが最初のデモ音源であるとする説が有力となっている
Side B: Space Oddity (demo) with John ‘Hutch’ Hutchinson
当時はデュオとしてのパフォーマンスが予定されていた楽曲。ジョン・ハッチ・ハッチンソンをフィーチャーした最初の音源として知られるバージョンで、こちらも歌詞とアレンジメントが異なったものとなっている