乃木坂46、欅坂46、日向坂46、それぞれの「これから」に溢れた『坂道テレビ』を観て

3月23日にNHK『坂道テレビ~乃木と欅と日向~』が放送された。舞台などで個人毎に共演したり、TX『乃木坂工事中』のSP回に欅坂46がゲスト出演することはあったが、グループとして乃木坂46、欅坂46、日向坂46という3つの坂道が交わることは今までなかった。

放送では、欅坂46が曲の世界観により引き込むような壮大なセットの中で“黒い羊”を、日向坂46が3月27日リリースしたデビュー曲“キュン”をフルで地上波初披露。
互いのグループのライブに潜入して、公演前のメンバーに直撃したシーンでは、普段見られない組み合わせとともに、接し方やタメ口で話しかける姿に「そっか、欅坂の1期生は乃木坂3期生の先輩なんだな」と、言われれば当然そうなのだが、今まであまり意識してこなかったグループ間の関係性に目が行き、この共演がいかに貴重なのかを感じさせられた。

また、乃木坂46・堀未央奈、欅坂46・小林由依、日向坂46・齊藤京子の3人によるアイドルらしいガールズトークも非常に微笑ましかった。先輩としてお姉さんらしく2人に話を振って盛り上げようとしながらも、「好きな男性のタイプ」など現役アイドルには答えにくい質問をぶっ込んでくる堀、相変わらずの天然不思議回答で周りを「ん?」とさせる齊藤、そんな2人を相手にしながらもクールな振る舞いでバランスをとる小林と、今後それぞれのグループで中心を担っていくであろう3人は、しっかりとその非凡な個性を発揮していた。

そんな中で特に印象に残ったのが、乃木坂46・桜井玲香、欅坂46・菅井友香、日向坂46・佐々木久美が思いの丈を語り合った、初の3グループキャプテンによる鼎談だ。
年齢も近く、3人ともゆったりしていて落ち着いている(こういった、ちゃんとすべき場では)ので、終始和やかな雰囲気で進んだ。だが、柔らかい口調の中にも、それぞれが芯を持っており、自分の所属するグループに対する熱い思いが十分に伝わってきた。

理想のキャプテン像の話題になると、桜井は元AKB48の総監督・高橋みなみの名前を挙げ、「マネようかなって思ってた時期もあったけど、全然できないし、私が『ほわ~ん』としてる方がうち(乃木坂46)はまとまった」と語った。続いて菅井も「私も最初、高橋みなみさんのイメージが強くて――でも、桜井さんがいらしたから、また違う形のキャプテン像を作ってくださって、そういうキャプテンもいいんだなって思えて、後ろから支えるように、優しく寄り添えるようになるほうが私はできるのかなって思った」と話した。さらに佐々木は『ONE PIECE』のルフィのようなキャプテンになりたいと言い「普段はみんなとふざけてるけど、1番強いし、締めるときは締める。普段からしっかりしてる必要はないんだなってルフィを見て思うようになりました」と独自のキャプテン論を語った。
大所帯をまとめるキャプテンというと、やはり全員を引っ張る絶大なキャプテンシーとお手本となる強い姿であるべき、とイメージしがちだが、3人は良い意味で周りに支えられながら、同じ目線で寄り添いチームをまとめ上げている。今の坂道グループに感じる雰囲気の良さと、グループの個性であるカラーがしっかりと色濃く示せているのは、この3人が作り出す自由で温かい空気が大きく影響しているからだと言える。桜井は、悩むことがあれば「メンバーにすぐ言っちゃう」と話していたが、弱みを見せられるのは、乃木坂46の風通しの良さを証明しているし、「キャプテンらしいことをしている自覚はない」という佐々木のナチュラルな心遣いは、日向坂46全体が放つハッピーオーラに間違いなく繋がっている。欅坂46では、内に溜め込んでしまうメンバーが多いため定期的に話し合いをしていると菅井が話したが、そういう一致団結するための努力が、あの観客を釘付けにするパフォーマンスを実現させているのだと思う。そんな3人のトークを聞いて、それぞれのグループのファンは改めて「3人がキャプテンで本当に良かった」、そう感じただろう。

これまで実現してこなかった3つの坂道の交わりによって、よりそれぞれのカラーと魅力を再発見することもできた今回の放送。乃木坂46、欅坂46、日向坂46はこれからも一つひとつ壁を乗り越えながら全力で坂を上って行くだろう。ぜひ第2弾の『坂道テレビ』でまた成長した彼女たちの姿を見たい。早くも続編の放送を期待してしまう濃密な90分だった。(野澤勇貴)
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