特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(7日目)

特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(7日目)

2020年を迎えて早くも初夏に。パンデミックの影響で巣ごもりの時間が長引くなか、音楽を心の拠りどころにする人も多いことでしょう。そこで、ロッキング・オンが選んだ「2010年代のベスト・アルバム 究極の100枚(rockin’on 2020年3月号掲載)」の中から、さらに厳選した20枚を毎日1作品ずつ紹介していきます。

10年間の「究極の100枚」に選ばれた作品はこちら!


『AM』
アークティック・モンキーズ


特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(7日目)

時代を凌駕したロックンロール

リリースから7年近くが経った今なおこのアルバムが持つ意味、アークティック・モンキーズが本作で成し遂げた偉業の価値が寸分も揺らいでいないことに驚かされる。直近10年でロックンロールの価値が幾度となく揺らぎ、再構築・再定義の波に晒されてきたことを思えばなおさらだ。

セカンド・アルバムで習得したハード・ロックやメタルの重厚、サード以降のバンドの動力源となってきたストーナーのしなやかなグルーヴを土台とし、サイケデリックやグラム、ファンクにR&B、ドゥワップまで、これまで段階的に積み上げてきたアイディアを一気に凝縮して骨太のロックンロールに昇華している本作は、彼らの集大成と言っていい。その一方、明確な新機軸となったのがドクター・ドレーアウトキャストにインスパイアされたというヒップホップで、ミニマルで重低音のビート、ポエトリーなアレックスのフロウといったものが本作をモダナイズする働きをしている。ロックンロールの中にこれほど有機的にヒップホップを根付かせたアルバムは珍しいが、それは彼らがヒップホップのエディット感覚で要素を組み入れていくのではなく、継ぎ目のない壮大な一枚絵として本作を予め捉えていたからだ。そういう意味でも本盤はオーセンティックなロック・アルバムであり、2010年代を代表する一枚でありながら、時代性から切り離された孤高の傑作でもある。後に彼らが『AM パート2』を作ろうとして無理だと悟ったというエピソードにも、本作の唯一性が窺えるし、その価値はきっと10年後も変わらないだろう。(粉川しの)
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