昨年第63回グラミー賞のノミネーションが発表された後、有色人種のアーティストが冷遇されていることを指摘していたザ・ウィークエンドが「今後はグラミー賞をボイコットする」と宣言した。「SPIN」によると、ザ・ウィークエンドは「New York Times」に送った声明で「選考委員に透明性がないから、今後はレーベルに自分の作品をグラミー賞にエントリーさせない」と綴っていたという。
グラミー賞は、授賞式を主催するレコーディング・アカデミーの選考委員がエントリーされた作品に投票して、候補作品を選出する仕組みとなっている。
しかし、ザ・ウィークエンドが指摘したように選考委員の構成が不透明なうえ、過去にグラミー賞で候補になり、受賞したアーティストは圧倒的に白人が多いと言われている。よって、これまでにも数多くのアーティストが「選考プロセスが有色人種のアーティストにとって公平ではない」と抗議の声を上げていた。
ザ・ウィークエンドがボイコットを宣言した後、レコーディング・アカデミーでCEOを務めるハーヴェイ・メイソン・Jr.から「New York Times」へ次のような声明が届いた。
「我々は、誰かが気分を害することを残念に思います。ですが、我々は常に進化していると言えます。そして、今年は過去数年と同様にノミネート審査委員会を含め、いかに受賞プロセスを改善していくか厳しく検討するつもりです」
昨年11月にザ・ウィークエンドは、最新アルバム『Blinding Lights』が高い評価を得、商業的にも成功を収めたにもかかわらずグラミー賞にノミネートされたなかったことを受け、「グラミー賞は腐ったままだ。彼らは僕とファン、そして業界に透明性をはっきりとさせる責任がある」とコメントしていた。
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