【43日間、連続公開!】ロッキング・オンが選ぶ究極のロック・ドラマー43選/コージー・パウエル

5月7日発売のロッキング・オン最新号では、「究極のギタリスト」を特集します。そこで、ギタリスト特集に先駆け、昨年の9月号に掲載したロッキング・オンが選ぶ「究極のロック・ドラマー」を43日にわたり、毎日1人ずつご紹介します。

「究極のロック・ドラマー」に選ばれたアーティストはこちら。

コージー・パウエル(ジェフ・ベック・グループなど)

【43日間、連続公開!】ロッキング・オンが選ぶ究極のロック・ドラマー43選/コージー・パウエル

ドラム一打を聴けば、コージー・パウエルだとわかる。その圧倒的な個性と揺るぎない存在感は、彼の音楽に対する妥協なき姿勢をそのまま映し出しているようだ。「ハード・ロック界の渡り鳥」の異名を取るコージーは60作品以上に参加し、その名声と地位を不動のものにした。彼は第二期ジェフ・ベック・グループの一員に抜擢され、『ラフ・アンド・レディ』、『ジェフ・ベック・グループ』に参加。当時からレコーディングはダブル・ベース・ドラム(バス・ドラムがふたつある通称:ツー・バス)を使用し、コージー独自のスタイルを確立させていた。
 
その後、元ディープ・パープルのリッチー・ブラックモア(G)率いるレインボーのオーディションに見事合格し、ロック史に燦然と輝く大傑作『虹を翔る覇者』に参加。本作はロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)、リッチー、コージーという強者同士が有り余る実力をぶつけ合う、文句ナシの名曲群が勢揃い。特にアナログB面を丸々使った、コージー自身もお気に入りの“スターゲイザー“、“ア・ライト・イン・ザ・ブラック“の2曲は圧巻。中世音楽を軸にした大仰かつドラマティックなハード・ロックを掲げながら、パワフルとかテクニカルとか、そんな次元を超越した火を噴くような凄まじいドラミングを堪能できる。
 
ライブにおいてはさらに本領を発揮し、“スティル・アイム・サッド”(ライブDVD『レインボー〜ライヴ・イン・ミュンヘン1977』収録)の中に設けたドラム・ソロではチャイコフスキーの“序曲1812年”に合わせて壮絶なビートを披露。日陰者、縁の下の力持ちなどと言われるドラムというポジションに多大なる光を当てる役割を果たした。
 
コージーの功績はドラム・ソロを含めて、純粋に「カッコイイ!」と思わせる実力を兼ね備えたパフォーマンス力にもあった。ここ日本でも異常な人気を誇り、多くのアマチュアがコージーのようにドラムを叩きたいと欲する。まさに憧れの的と言える存在だった。最終的にソロ作を5枚発表(必聴!)し、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイトスネイクブラック・サバスなど著名バンドを渡り歩くが、どんな一流プレイヤーと交ざってもコージー節は健在だ。98年に自動車事故により50 歳で他界したが、今なお永遠のドラム・ヒーローである。(荒金良介)



ロッキング・オンが選ぶ「究極のロック・ギタリスト」特集掲載号は、5月7日発売です。ご予約・ご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。


【43日間、連続公開!】ロッキング・オンが選ぶ究極のロック・ドラマー43選/コージー・パウエル - 『rockin'on』2021年6月号『rockin'on』2021年6月号
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