アップルがナイン・インチ・ネイルズのiPhoneアプリに「好ましくない内容」があるとして、更新を拒絶した。
このニュースは5月2日にトレント・レズナーがTwitterに次の書きこみをしたことで明らかになった。「アップルが好ましくない内容があるといってNINのiPhoneの更新を拒絶した。好ましくない内容というのは“ザ・ダウンワード・スパイラル”のことだそうだ」
アップルから彼のもとに送られてきたメールは、バンドの英語版ホームページで公開されている。メールにはアップルがアプリに相応しくないと判断した内容の詳細が記載されている。
アップルによれば、ナイン・インチ・ネイルズのアプリはiPhone SDK利用規約の第3.3.12項に反しているという。この条項では、「あらゆる種類の猥褻、性的、攻撃的または中傷的な内容または素材(文章、図柄、画像、写真等)、あるいはアップルによりiPhoneまたはiPodユーザーにとって好ましくない可能性があると判断された内容または素材」が禁止されている。
トレント・レズナーはアップルからのメールに対し、公開書簡の形で返答した。今回の出来事を数年前にウォルマート(アメリカの巨大スーパーマーケット・チェーン)との間で起こった問題と比較しながら、彼は次のように書いている。
「お前らの馬鹿げた規約をパスするために何をしろっていうんだ? この機会に、何年か前にウォルマートとの間で起こった同じような出来事について話したい。それは(規約の)一貫性と偽善についての問題だ。ウォルマートはずいぶん前、奴らが販売する音楽すべてを検閲し、そこに過激な表現があった場合、『クリーンな』バージョンを作らなければ販売しないという暴挙に出た。多くのバンド(その中にはニルヴァーナもいた)が歌詞を削除したり、アルバムのジャケットを変更したりしてウォルマートの言う良識の基準を満たした。ウォルマートは大量のレコードを売りさばくからだ。NINはそれを拒否した。その証拠に、ウォルマートにはNINのコーナーがない。俺の考えはこうだ。もしお前らが『下品な』品物は販売しないという道徳的姿勢を見せたいのならそれはかまわない。でもそれによってお前らはNINのレコードが本当に追求しているものへの理解を閉ざし、代わりに映画の『スカーフェイス』を一切検閲しないまま仕入れ、娼婦を殴りつける『グランド・セフト・オート』を受け入れて金儲けをしているんだ。そんなものに一体どんな意味があるっていうんだ?」
「iTunesでは“ザ・ダウンワード・ファッキン・スパイラル”は買えるのに、曲のどこかに悪い言葉があるかもしれないと言ってiPhoneアプリとしては許されない……おいおいアップル、自分らの方針について一度よく考えてみて、アプリの許可に向けて話し合おうぜ」
ナイン・インチ・ネイルズは現在5月8日にウエスト・パーム・ビーチ(フロリダ州)から始まるジェーンズ・アディクションとの北アメリカ・ツアーに向けて調整中。
(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
ナイン・インチ・ネイルズのiPhoneアプリ、アップルに拒絶される
2009.05.07 19:22