ペイヴメント、スティーヴ・マルクマスの再結成をめぐる語録

ペイヴメント、スティーヴ・マルクマスの再結成をめぐる語録

セントラル・パークでライブを9月に行うという話から始まったペイヴメントの再結成。一回きりのこの企画が9月を終着点にした半年にわたる再結成ツアーとなって、ついには来日まで果たしたわけだが、そんなツアーの当事者としての心境をスティーヴ・マルクマスは「音楽っていうのはノスタルジアのことなんだよ」とSPIN誌に語っている。「ある音楽を2度目に聴き始めた瞬間から、人は常にその音楽を生き直していくことになるからね」。

一方、地味な会場を巡ることが多かった現役時代と較べればフェスのヘッドライナーが続く今回のツアーはかなり派手なものになっているわけだが、そうしたことについてはまったく眼中にないらしい。「フェスだったら、昔もヨーロッパでよく出てたから、同じだよ。どっちみち会場の一番後ろにいる連中に向かって演奏なんてしてないし。ぼくたちに近い側にいるみんなに向けてやってるだけなんだよ」。

とはいえ、1999年のコーチェラのペイヴメントのライブでは数百人しかステージに詰めかけていなかったのが、これほどの人気を誇るようになったその理由については「ユニークだからだよ」と説明する。「それ以外にほかと違ったものなんてもうこっちから提供のしようがないし。特にみんなはヴァンパイア・ウィークエンドやTV・オン・ザ・レイディオとかを観てるわけだからね。彼らはまさに今キャリアのピークへと向かっているんだからおもしろくて当たり前じゃない? ぼくたちはもうとっくに上がって下がって、終わっちゃってるんだから」。

99年の最後のツアーではほとんどバンドが崩壊していったペイヴメントが今回うまくいっている理由についてはこう語る。「ぼくたちの場合がそういうことなんだけど、みんなが歓声を上げてくれるのが嬉しくて、その後で小切手をもらえるということで満足なら、同じコード進行をお仕事としてやっつけていくようなことでも、うまくいくものなんだよ」。

「それに40歳にもなって、家族を残してライブをやるのにオーストラリアまで行ってるとして、それを自分のアートのためにやってるとなったら、それはちょっとおかしいと思うし。本当に自分のアートが大切なら、家族と一緒に地元にいるべきだと思うよ」。

「コンセプト的に考えれば、再結成しなかった方がよかったのかもしれないよね。そういう意味じゃこの先どうしてもザ・スミスには勝てないのかもしれないね。でも、ザ・スミスが再結成を絶対にしないその本当の理由は、単純にお互いに憎み合っているからだってことは誰もが知ってることだしね」
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする