レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、レイジ好きだという共和党副大統領候補ポール・ライアンをめった切り

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、レイジ好きだという共和党副大統領候補ポール・ライアンをめった切り

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロは共和党の大統領選候補ミット・ロムニーから副大統領候補として指名されたポール・ライアンへの批判を大々的に語っている。

ライアンはかつて自身の最も好みのバンドとしてレイジを挙げていて、トムはそのことへの驚きを『ローリング・ストーン』誌に次のように寄稿している。

「ポール・ライアンのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンへの愛着というのは驚くべきものだ。というのはレイジが過去20年にわたってその音楽を通して怒りをぶつけてきた機械そのものをライアンは体現する人物だからだ。チャールズ・マンソンはビートルズを愛していたが理解していなかった。(ニュージャージー州知事の)クリス・クリスティーはブルース・スプリングスティーンを愛しているが理解していない。そしてポール・ライアンは自分が好きなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンについてまったくわかっていないのだ」

「ライアンはレイジのサウンドが好きで歌詞はそれほどでもないと言っている。ぼくとしてはライアンがなにをどう言おうとまったく興味はない。ライアンがどんなバンドを好もうとそれは本人の自由だが、しかし、国庫を1パーセントの富裕層のみのために過激に使っていく政策はレイジのメッセージとは相いれないものでしかない」

さらにトムはライアンがレイジのメッセージをきちんと理解できているのかどうか次のように疑問を呈している。

「ライアンの最も好きなレイジの曲とはどれなのか? それはぼくたちがアメリカ原住民の殺戮への非難を主張する曲だろうか? アメリカ帝国主義を批判した曲だろうか? それともぼくたちの"ファック・ザ・ポリス"のカヴァーだろうか? あるいはぼくたちが人民に生産手段を収奪しろと説く曲だろうか? 共和党青年部会で取り上げられる議題をなぎ倒すのにうってつけなテーマばかりが揃っているがどうなのだろう?」

「でも、誤解しないでほしいのはぼくにだってライアンからレイジ、つまり怒りはとても感じ取ることはできるということだ。ライアンからは、女性への怒り、移民に対しての怒り、ゲイへの怒り、貧困層への怒り、環境への怒りを感じ取るができる。基本的にライアンが怒りを感じていない唯一のものは、自身の選挙キャンペーンのためにへつらってみせる特権的なエリート層だけなのだ」

「レイジはこれまでさまざまな形で人々を影響してきた。なかにはバンドが体現するものをすべて無視して、モッシュに飛び込んだりそこで他人に肘鉄を食らわせることだけに専念する人もいる。そのほかの人間にとって、レイジとは自分たちの思想や人生を変えたバンドであったりもする。各地のウォール街占拠運動の関係者を含む、世界各地の活動家の多くがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンに触発され、今では地球をより人間的で正義のまかりとおる場所にしようと尽力している。ひょっとしたら、ポール・ライアンはもっと耳を傾けるべきだったのに、ただモッシュにうつつを抜かしていただけなのかもしれない」

「でも、ひょっとしたらポール・ライアンはぼくたちの隠密なのかもしれない。その頭のおかしい極右的な政策のなかにレイジの音楽はまともな発想を与えたのかもしれない。当選したら、ライアンは投獄されている人権活動家のレナード・ペルティエの恩赦に動くかもしれない。あるいはメキシコのサパティスタ人民解放軍の支援に米軍を投じるかもしれない。あるいは自身のキャンペーンに出資している企業犯罪者を全員ひっくるめてグアンタナモ湾収容所に投獄し、そこでレイジの音楽を強制して拷問にかけるのかもしれない。そういう可能性もあるかもしれないが、まずそういうことはありえないのだろうと思う」

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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