レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバムが再びチャート入り!

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバムが再びチャート入り!

アメリカで行なわれているピースフルなプロテストの勢いはまるで衰えることがない。そのプロテスト・ソングとなっているのか、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバムがビルボードチャートや、iTunesのチャートに再び入っている。

トム・モレロも「モロトフにはサントラが必要だから」とツイートしていた。


ビルボードチャート200に返り咲いたのは、1992年に発売されたデビュー作の『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン』だ。つまり約30年前のアルバム。これが6月13日付け最新のビルボード200で、174位に入っているのだ。このアルバムは発売された時は、最高45位。これまで96週間チャート入りしていた。

またiTunesのチャートだと、全アルバムが200位以内に入っている。

6月13日現在の順位は、『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン』は、なんと8位!『イーヴィル・エンパイア」は、52位。『バトル・オブ・ロサンゼルス』は、62位。また『レネゲイズ』も入っていて190位。

ファースト・アルバムに収録されている“Killing in the Name”は、1991年にLAで起きたロドニー・キング事件から6ヶ月後に書かれたもの。スピード違反で警察に止められたロドニー・キングが警察4人に激しい暴行を加えられ、それを近所の住人が偶然録画していたため、全米の人がその衝撃的な映像を目撃した。しかし警察側は無罪判決だったため、ロサンゼルス暴動に繋がっていく。つまりその曲と非常に似た光景が、約30年後の今も不幸なことに現実として目の前に広がっている。残念なことにその曲で歌われていることにいまだに共感できるのだ。

ザックはここで、「世界を操る権力の中枢には、十字架を燃やす者たちと同じ奴らがいる」と、権力を持つ人達の人種差別を訴えている。警察の人種差別を歌っているとも取れる内容だ。

この曲は、なんと2009年イギリスの『Xファクター』に対抗するためにクリスマスチャートで1位になっている。トム・モレロもライブ映像をツイートしていた。


これを見ると、今予定通りレイジが全米ツアーをしていたらなんて完璧なタイミングだったのにと思ってしまう。また、これを受けて出回ったもうひとつの映像がある。これは私も会場で観ていたけど、レイジが1999年のウッドストックに出演した時にこの曲を演奏し、最後にアメリカ国旗に火を付けている。


トム・モレロはシリアスなツイートもしつつ時々笑えるツイートもして話題となっている。もしかしたらこれを機会に新たなファンが増えたのかもしれないが、ファンだという人が、レイジの曲が政治的になってしまったと文句を言っているのだ。

僕はレイジが政治的なことを歌ってない時は好きだったんだ。音楽は僕の聖域だから、音楽を聴いていて、政治的なクソみたいな意見は聴きたくない。僕に言わせるとレイジとピンクは終わったね。政治的な意見を言いたいなら言えばいいよ。ファンはどんどん減るだけだけどね


これにトムが返事。


スコット! 君が好きだったどのレイジの曲で『政治的なクソ』が歌われてなかった? 教えてくれ。その曲は俺たちのカタログから削除するから


と。この粋な答えにファンは大盛り上がり。もちろんレイジの曲に政治的じゃない曲なんてないからだ。

また、別の日には、「ミュージシャンは成功すると、いきなり政治の専門家になったみたいな口の利き方をする」と、有名なミュージシャンが知りもしないのに政治的なコメントをするとトムを批判。これに対するトムの答えが痛快。


現政権がいかに非倫理的で、非人道的なのか気付くのに、ハーバード大学政治学科を優秀成績卒業する必要もないんだが、俺は、ハーバード大学政治学科を優秀成績卒業しているんだ。念のため言っておく


これもファンが大ウケ。トム・モレロは、ハーバード大卒であるばかりか、上院議員の秘書をしていたことでも有名。十分政治についてコメントする資格あるだろう。ファンは大爆笑していた。

彼らに新たなファンがいるんだと信じたい。

ただ、以前下院議長だった共和党のポール・ライアンがレイジのファンだと言った時は、トムは痛烈な一撃を食らわした。

ポール・ライアンこそが、俺たちの音楽が怒り(=レイジ)で反抗している(アゲインスト)マシーンの体現だ。


トムは最近はブルース・スプリングスティーンとカバーしたクラッシュの“Clampdown”を「見て」とツイートしていた。


トムに昔インタビューした時に、彼が「革命というのは上から誰かに差し出されるものではない。下からひとりひとりが団結して勝ち取るものなんだ」と言っていたのが忘れられない。彼らが今ツアーをしていないのは残念だが、彼の言葉を心にいつもプロテストに参加している。

ラン・ザ・ジュエルズが前座だったレイジのツアーは来年に延期。ヘッドライナーのはずだったコーチェラも来年に延期となった。ザックはラン・ザ・ジュエルズのアルバムにも参加しているが。今、この時間は何をしているんだろうか?

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