レイジ・アゲインスト・マシーンのティム、新ユニットやレイジの現状について語る

レイジ・アゲインスト・マシーンのティム、新ユニットやレイジの現状について語る

新ユニット、ウォクラットを立ち上げたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのティム・コマーフォードが、新ユニット結成の経緯やレイジの現状などについて語っている。

ティムはこれまでプロデューサーのブレンダン・オブライエンらと結成した別ユニット、フューチャー・ユーザーとしてアルバム『#SteroidsorHeroin』を今年に入ってリリースし、初めてリード・ヴォーカルも提供しているが、これとは別個に違うメンバーでウォクラットとしての活動も開始し、今回シングル"Knucklehead"のビデオも公開している。

ウォクラットについてティムはザック・デ・ラ・ロッチャにドラムのマシアス・ウォクラットを紹介されたことがきっかけとなって結成されたことを明らかにしている。マシアスはザックが常連客として利用しているロサンゼルスのフレンチ・ビストロのオーナーで、マウンテン・バイクが趣味だということからザックにティムを紹介され、さんざんマウンテン・バイクについて語り明かした後、マシアスはティムに実はドラムもたしなむことを打ち明け、ユニット結成に繋がったという。

また、ウォクラットでもティムはリード・ヴォーカルとベースを兼務しているが、ウォクラットの曲はすべてティムの個人的な表現に根差したものになっていて、「この1年くらいすごく根が深くて暗い家族の問題と向き合わなくちゃならなくて、もう泣くしかないような状況だったんだ」とローリング・ストーン誌に説明している。

「この1年間、涙を流すことが多かったし、ずっと一人で閉じ込められてるような気分でやってきたんだよ。"Knucklehead"はそういうことを歌った曲なんだ。時として、ダークな側面というのはとんでもないものを生み出したりするわけで、そういうところのこの音楽は生まれてるんだ」

制作を進めている10曲収録のアルバムについてはミニットメン、バッド・ブレインズ、フガジなどからの影響を汲んだものになるということで、「全部パンクだよ。全部速いし。全部痙攣を起こしているような感じなんだ」とティムは説明している。また、ウォクラットのライヴにザックも来場したことについてティムは次のように語っている。

「この間、初めてのライヴをやってザックもトム(・モレロ)も来てくれたんだよ。今のところ、ザックが俺たちの最大のファンだし、サポーターでもあるんだ。音楽的にやってることはザックが得意としてることだし、ザックが誰よりもよくわかってる分野なんだ。ライヴの後も2時間くらいザックと話し込むことになったからね。俺のやってることにものすごく入れ込んでくれてるんだ。それでその時に取り組んでるトラックでギターを弾いてくれないかとお願いしたら、『あ、やらせてもらえるんだ』って言ってたからね」

なお、ザックの近況についてティムは次のように語っている。

「ザックはここ数年、遮二無二制作に励んでる感じだよ。あいつはとんでもないミュージシャンだからね。自宅にスタジオを作って、ずっとそこに籠ってワン・デイ・アズ・ア・ライオンとしてのフル・アルバムを制作してるんだ。それがザックのバンドで、ザックはひとつのバンドに集中するタイプなんだよ」

また、2017年にバンドはデビュー25周年を迎え、ロックンロール名誉の殿堂入りの資格を得ることになるが、これについては次のように語っている。

「もしレイジがロックンロール名誉の殿堂入りをするようなことがあれば、誰が出席するのかを見届けるのも面白いかもね。まあ、かなりはっきりしてるようにも思えるけど。式にちゃんと来るやつもいれば、明らかに来ないやつもいるだろうし、食べ物色の浣腸液を事前に仕込んできてそれをレッド・カーペットで全部ぶちまけるバカもいるだろうね」

なお、ティムは2000年のMTVのビデオ音楽賞授賞式で最優秀ロック・ビデオ賞がリンプ・ビズキットに授与された際、これへの抗議として会場のセットの足場のてっぺんにまでよじ登るというパフォーマンスを行い、この事件がその直後のザックの脱退の引き金になったともいわれている。その後、レイジは再結成してライヴ・ツアーを断続的に行ってきているが、2011年が最後のライヴとなっている。今後の活動の可能性についてティムは次のように語っている。

「なんだって可能だよ。俺たちはまだバンドとして存在してるし、また一緒にやることもあるかもね。今はね、なんの予定もないけど、この先どういうことになるのかなんて誰にもわからないことだからね」

なお、現在のユニット、ウォクラットとフューチャー・ユーザーとの違いについてティムは次のように説明している。

「フューチャー・ユーザーっていうのはパフォーマンス・アートとして考えたユニットで、俺がそのヴィジョンを考えたけど、そのヴィジョンに俺自身は関与していないものだったんだよ。でも、ウォクラットについてはこれはバンドであって、だからいつも演奏はやっていくし、昔ながらのやり方でやっていくつもりだよ。これは俺が聴いて育ってきたような音楽で、俺がずっとやりたいことだったんだ。1991年にレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンで初めて演奏を始めた時のような感じがするんだよ。なんかぎこちなくて、変な感じなんだけど、それがたまらなく好きだっていうね」

ウォクラットの"Knucklehead"のビデオはこちらから。
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