デヴィッド・ボウイの新作についてプロデューサーのトニー・ヴィスコンティが語る

デヴィッド・ボウイの新作についてプロデューサーのトニー・ヴィスコンティが語る

3月のリリースが突然発表されたデヴィッド・ボウイの新作『ザ・ネクスト・デイ』だが、プロデューサーを務めるトニー・ヴィスコンティは、その内容について「ロック・アルバムだ」と語っていて、ただ、その先行シングル"ホエア・アー・ウィー・ナウ?"については、回想的で憂いに満ちた曲風に驚いたと次のようにBBCに説明している。

「デヴィッドにとってはすごく回想的な作品になってると思うんだ。間違いなくベルリン時代を振り返っていて、ある種の情感を呼び覚ますんだよね……とても憂いに満ちているんだ。このアルバムでデヴィッドがここまで内省的になっているのはこのトラックだけなんだよ。ほかの曲やアルバムそのものはかなりロック・アルバムという内容になってるから、なんでデヴィッドはこれだけスローで、でも美しいバラードをシングルに持ってきたんだろう、どういう狙いなんだろうって不思議に思ったんだよ。もっとどかんと行く曲を持ってくるべきじゃないかってね。でも、デヴィッドは自身の人生を絶妙に切り開いてきた人間だからね。この曲を持ってきたことは実に鋭い選択だったし、過去と未来を繋げる作品になっているし、きっとデヴィッドが次に作る作品は相当にこれまでとは違う作品になるんだろうなと予感させる内容なんだよ」

「今度のアルバムの作品は、ここ2年ほどニューヨークの街を歩きながらヘッドフォンで聴いてきてるんだけど、どれひとつとして飽きた曲はないんだ。このアルバムの楽曲はずば抜けて力強くて美しいからね、デヴィッド・ボウイの典型的な名曲を期待している人ならこのアルバムで満足できるだろうし、革新的で新しい方向を探るデヴィッド・ボウイが聴きたい人もまたこのアルバムでそういう内容を堪能できるはずだと思うよ」

デヴィッドは2004年のリアリティ・ツアー中に倒れ、血管形成術を伴う心臓の大手術を受けたため、その後健康が思わしくないのではないかと囁かれてきたがトニーはデヴィッドがいたって健康だと次のように語っている。

「デヴィッドはまったくもって健康でぴんぴんしてるし、頰も紅いし、笑顔でいることが多いよ。レコーディングの時もスタジオに入ったのが相当嬉しかったようで、ずっと満面の笑顔だったからね。昔からね、ぼくは、デヴィッドは歌手の中でもとりわけ声量が大きいと思ってきたんだ。デヴィッドが歌い出すと、ちょっと後ろずさりせざるをえなくなる感じになって、ぼくは隣の部屋に引っ込んでマイクの前にデヴィッドをひとりっきりにしたものだけど、あの力はまだ今もデヴィッドの胸と声に残ってるよ。もちろん、2003年、04年と健康が脅かされたのはみんなも承知の事実だけど、今はすごく健康だってぼくも太鼓判を押せるし、ここ数年、ぼくはそれをずっと言ってきてるんだよ。なんで健康だってわかるのかって訊かれてもうまく説明できないかもしれないけど、でも、ぼくがスタジオで一緒に仕事をしたデヴィッドはとても健康で幸せそうな人物だったんだよ」

『ザ・ネクスト・デイ』はオーストラリアでは3月8日、アメリカでは12日、それ以外の全世界では11日にリリースされるが、スタンダード・ヴァージョンは14曲収録し、デラックス・ヴァージョンはそれに3曲が追加されるという。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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