U2のボノ、自身のことを「鼻持ちならない、舞い上がったイエス・キリスト」と語る
2013.03.01 22:00
ボノは世界の貧困についてのスピーチで自身のことを「鼻持ちならない、舞い上がったイエス・キリスト」と言及している。
スピーチは南カリフォルニアで開催されたテクノロジー・エンタテイメント・アンド・デザイン会議というシンポジウムで行われ、自身を「オタク」と説明したボノは2030年までに極貧を撲滅できると信じていると訴えた。
「ロック・オペラのような奇天烈なストーリーも、いつもの大言壮語も、今日の俺は口にするつもりはないです。今日ものを言うのは事実だけです。自身の内なるオタクを俺は今日、全面的に支持します。ロック・スターの出番は今日はなし。証拠に基づいた活動家、事実活動家の登場です」
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツなども顔を揃えたこの日の聴衆に向けてボノはエイズにかかっていながら死を回避する治療を受けている患者が増加していること、そしてマラリアによる死亡率が減少していることを指摘し、児童の死亡率も10年前と較べると1日当たりで平均7256人も減少していると訴えた。
「まだまだ死亡率は高いけれど、この数字の推移は仰天するほどのものだし、ちょっとどきっとするようなものだよ。この先、ゼロに近い領域に近づいたら、数字フェチである俺のような人間にはほとんどエロに近い興奮を覚えてしまう。データの推移を確かめることで俺は性的興奮を覚えるんだ」
さらにボノは極貧を根絶する2030年はすぐ目前までやってきていると語り、「ザ・ローリング・ストーンズがあと3回さよならコンサートをやったらもう2030年だからね」と笑って、たとえてみせた。そして、極貧根絶が実現されたら、「鼻持ちならない、舞い上がったイエス・キリスト」のつもりになっている自分の話をみんなももう聞かなくても済むはずだと語った。ただ、この目標は人々がこれからも各国政府に圧力をかけ、テクノロジーの開発と世界の貧困の研究への援助を続けさせなければ実現はできないともボノは語った。
U2は一説によると『10 Reasons to Exist』というタイトルの新作に取りかかっているとされているが、完全に仕上がるまでリリースしないとボノはこれまで語ってきている。
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