昨日、ビルボードライブ東京にて「三池崇史監督 presents 大人だけの空間」が開催。『風に立つライオン』の上映と併せて、三池崇史監督と主演の大沢たかおによるトークショーが行われた。
全国を回るキャンペーンでもう何度も話していることだと三池監督に茶化されながらも、さだまさしの楽曲との出会いからこの映画の実現までを、丁寧に、その道のりをかみしめるように語ってくれた大沢たかお。三池監督も、いくつもの出会いや奇跡によって生まれた映画の完成の喜びに改めて浸っているようだった。
とはいえ、心に響く言葉だけでは終わらないのがこの「大人だけの空間」。三池監督は、完璧に見える大沢たかおの欠点として、「肉しか食べない」という意外な食生活も明かしてくれた。でも、そんな欠点もさわやかに認めてしまう彼もまた、やっぱりいい男。
そしていよいよ明日3月14日(土)公開の『風に立つライオン』。医師がケニアの戦地で負傷した少年たちと向き合うというシリアスなテーマではあるが、人物ひとりひとりがそれぞれの土地での出会いを通して自身の生きる道を決めていく、とてもパーソナルな物語でもある。医療に身を捧げる医師たちの抱える葛藤が、遠くの土地でがんばるすごい人の物語ではなく、生々しい記憶のように感じられるのは、時代を超えて受け継がれる思いを共有した俳優たちの演技と、ケニア、長崎という土地への敬意に溢れた三池監督の演出によるところが大きいと思う。
3月19日発売のCUT次号にも、三池崇史×大沢たかおの対談を掲載します。ほかでは聞けないふたりの言葉が満載の対談、こちらも必読。(川辺)