記念すべき「100作目の朝トドラ」ということで注目度も高かったが、主題歌がいきなりアニメでびっくりした! しかも、山ねずみロッキーチャックとかあらいぐまラスカルを彷彿とさせる懐かしい手触りのアニメーション。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は、CGにあえてカトゥーンの平面的世界を持ち込んだ映像がむちゃくちゃ新しかくてかっこよくて、本年度のアカデミー長編アニメ部門も受賞したが、日本ならではの人間のぬくもり感じさせるセル画のアニメ―ションも逆の意味で新鮮に感じた。
スピッツによる主題歌“優しいあの子”が、その世界観にはまりすぎていて泣きそうになり、新年度1日目の朝からちょっとやばかった。
ドラマタイトルが『なつぞら』なのに詞が冬っぽい仕上がりになっている理由について、草野マサムネは以前こうコメントしていた。
実際に音楽を聴いて読み返すと、なるほど、深い。お話をいただいてから何度か十勝を訪ねました。
そこで感じたのは、季節が夏であっても、その夏に至るまでの長い冬を想わずにはいられないということ。『なつぞら』は厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空、という解釈です。
冒頭のシーンを見ながら、なんとなくジブリの『風立ちぬ』を思い出してしまったが、さらに『火垂の墓』や『アルプスの少女ハイジ』へのオマージュも感じられた。
このあと草刈正雄版“おんじ”とのかかわりが見もの。明日も楽しみ。(井上貴子)
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