そこに登場するキャラクターたちが、井上雄彦の中で完全にフレッシュなまま生き続けていて、この物語を表現するのに最も相応しい手法のアニメーションで動き出したことに感動が(最後は感涙が)止まらなかった。
漫画で描かれなかった新しい軸のストーリーも、漫画で描かれていてもう一度出会いたかった数々の場面も、今どうしても決めるしかないシュートとして、雑音が何もきこえなくなるくらいの集中力でリングに叩き込んだような完璧な映画だった。
井上雄彦が今も、まだ始まったばかりのような『THE FIRST SLAM DUNK』の世界で全力疾走しているのもビンビンに感じて嬉しかった。
映画が終わった後の空気は、完全に奇跡的な試合を観終わった後のそれ。
あと何回観るかな。(古河晋)