発売になったCUT2013年9月号掲載の、TSUTAYAと
CUTがコラボして行っている連載「TSUTAYA発掘良品×CUT」。
TSUTAYAでレンタルできる映画の中から、毎回テーマを設けてご紹介、
というのがこのページの趣旨ですが、今回は、このたび
ブルーレイ化となったウォン・カーウァイの4作品について、
粉川しのが書いています。
90年代から現在に至るまで、それまでの香港映画の
セオリーを塗り替え、それと同時に世界からの「香港映画って
こういう感じ」という既成概念をぶっ壊したウォン・カーウァイ、その作品から、
『恋する惑星』(1994年)
『天使の涙』(1995年)
『ブエノスアイレス』(1997年)
『楽園の瑕 終極版』(2008年)
の4本を、レビューしています。
ウォン・カーウァイといえば、今年の5月31日に日本公開になった
最新作、「ついに撮ったカンフー映画」である『グランド・マスター』、
あの映画で使われた手法が、過去のどの作品からきているのか、
なんてことも、読むとわかったりします。
ぜひ。
話がちょっとそれますが。
『グランド・マスター』、ブルース・リーの師匠である
イップ・マン(葉問)を主人公にした映画ですが、
「ウォン・カーウァイがカンフー映画撮るとこうなるのか!」
という意味と、
「カンフー映画って、『いわゆるカンフー映画な
感じ』じゃなくても作れるのか!」
という意味で、衝撃的でした。
公開が終わったばかりなので当分先だろうけど、
これも早く映像作品にしてほしい。
……って、今、一応調べてみたら、『グランド・マスター』、
まだ公開してるところ、ありました。
愛知県豊田市のトヨタグランドシネマで期間限定上映中、
8月23日までやってます。
こちら。http://www.toyotagrand.com/cinema/cinema_index.html
ちなみに、イップ・マンを主人公にした映画、以前にもありましたね。
2008年の『イップ・マン 序章』と、その続編である
2010年の『イップ・マン 葉問』。
これも、よい意味でいわゆるカンフー映画ではない、
でもまぎれもなくカンフー映画である、という、すばらしい作品でした。
イップ・マンを主人公にするとそうなるんだろうか。
そんな簡単な話じゃないか。
とにかく。
中1でジャッキー・チェンに大ショック→さかのぼって
ブルース・リーをちゃんと知る→そうこうしているうちに
リー・リン・チェイ(現ジェット・リー)登場、という、
日本の男のガキどもがみんなカンフー映画に
はまっていた世代のどまんなかである、私みたいな
奴にとっては、「ジャッキー以降のカンフー映画=
犬が足で書いたみたいなストーリー、闘うシーンさえかっこよければ
それでOK」という認識が、ぬぐいがたく染みついているもんで
(その最高峰がジャッキーの『ドラゴンロード』だと思っています)、
『イップ・マン』にしろ『グランド・マスター』にしろ、そうじゃない、
つまり、ちゃんと物語のあるカンフー映画に出会うと、
なんだか動揺してしまうのでした。
あと、『グランド・マスター』は「映像美」というのもあって、
それも強烈です。
「TSUTAYA発掘良品」とCUTのコラボサイト、こちらです。
http://www.tsutaya.co.jp/movie/ms/t-hr/cut/index.html
そしてCUT9月号、詳しくはこちらを。
http://ro69.jp/product/magazine/detail/87217
(兵庫)