先週末にはなりますが、ロラパルーザのストリーミングで観たフォスター・ザ・ピープルのライブが涙が出そうになるほど最高だったのでそのことを書こうと思います。
以前、アルバムがいかに傑作かということは書きましたが、ライブもホントにすごかった!
ロック・バンドとは、シーンに登場したらずっと進化を求められるもので、時代が変わればその時「今」鳴らすべき音を鳴らして当然、という期待を寄せられるものだ。そこで多くのバンドは、サウンドを軸として方法論を「今」にアップデートしようとする。「セカンド・アルバムのジレンマ」というのはまさに、そこだけに向き合った過程そのものである。
しかしながら、本当にロック・バンドが、移り変わる時代と足並みを揃えるには、方法論だけでは足りない。じゃあ何が必要かと言えば、根性(モチベーション)と思想だ。理想と言ってもいい。
"Pumped Up Kicks"で新世代ポップとロックの寵児となったFoster The Peopleは、セカンド『スーパーモデル』で、何一つ不自由のないはずの世界で引き起こされる資本主義の混乱や、人々が目を向けようともしない、欧米ではない国々のリアルを旅してマーク・フォスターが抱いたやりきれなさを描き出した。
そしてサード・アルバム『Sacred Hearts Club』で彼らは、せめて音楽だけは楽しくあるべきだ、というシンプルなメッセージを大きく掲げている。しかも、それを直接的に歌詞に込めたりはせず、アルバム全体を通じて伝えようとしているのだ。そして今の彼らにとって、ライブもまた、そのことをしっかり伝える最も重要な手段なのである。
そんなわけで、ロラパルーザのライブには闘士とも言うべき彼らの姿があった。フェスティバルというパーティー、エンターテインメントの狂騒と、ポップ・ミュージックの内省を見事に両立させていた。過去のアンセムにおいても軒並み、そうしたフォスター・ザ・ピープルの音楽の本質があぶりだされていた。
2010年代を代表するバンドで、それができるバンドはなかなかいない。
あとファンのツボとしては……
もはやマークの髪型が、おしゃれリーゼントからガチリーゼントに進化していたこと、でしょうか……
すみません。
只今発売中のrockin'on9月号には、マークの少年時代のバイブル『ペット・サウンズ』との比較をはじめとして、ぐっとくる内容のアルバム・インタビューが掲載されています。
アルバムはどの曲もいいですが、まだの方はこちらなど↓
インタビュー掲載号の目印はニール・ヤングです。
行ったつもりで徹底レビュー。ロラパルーザのFoster The Peopleのライブがどれほど素晴らしかったかについて!
2017.08.09 17:48