10年代終わりの空気感を見事に映し出す驚異の16歳、Billie Eilish

毎年恒例BBCSound Of の新人リストで名前の挙がっているBillie Eilishについて。

以前にこちら(”Lorde以降と言うべきか、10代女子DIYポップ・シンガーが凄まじい勢いでシーンを席巻しそうな今日この頃”)でもちらっと書きましたが、改めて。

ラナ・デル・レイやスカイ・フェレイラの登場を思い起こさせるような魅惑の新人、Billie Eilish。

なんと12月に16歳になったばかり、ロサンゼルスで俳優・音楽一家に育ったという超サラブレッド。

面白いのは、そうした恵まれた外的要因と直接は結びつかないようなフィクションの物語、ファンタジックな別世界を描き出し、それが10年代の終わりである「今」の空気感をダイレクトに反映しているということだ。


8歳からダンスを習い(“Ocean Eyes”のMVでも披露)聖歌隊で歌ってきた彼女らしく、歌と踊りを両方とも自らの表現としてナチュラルにアウトプットする。FKAツイッグスをも彷彿とさせるが、影響を受けたアーティストとしてタイラー・ザ・クリエイター、エイサップ・ロッキー、ラナ・デル・レイまでを挙げるのも納得の、ヒップホップがサブカルとポップ・カルチャーをひっくるめて支配する2018年流のポップなアプローチになっているのが素晴らしい。

散文のように言葉とイメージを羅列する表現は極めて今どきだが、センスが物を言うその手法においてクラシックな才能を感じさせる。

gloom popなんていう形容もされているが、それこそNetflix発大ヒットのTVドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス』に通じるような、オマージュに溢れ、笑えるくらいにデフォルメされた「コワさ」が渦巻く世間の空気感を映し出ていると思う。


ちなみに“Ocean Eyes”はもともとお兄ちゃんが自身のバンドのために書いた楽曲を自身名義で発表したもので、シグリッドといいビリーといい、なんか良いエピソード。
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