12月に公開される是枝監督のCoccoドキュメンタリー映画『大丈夫であるように』、すさまじい作品だ。
みんなそれぞれ何かに立ち向かっている、でもそれを「大丈夫」と言って解決できるのはその本人しかいない。だからCoccoは、大丈夫であるように。と祈るのだという。
どうしようもない出来事に出会った時、人は祈るしかない。そして、「どうしていいかわからんときはいつも歌う」とCoccoは言う。彼女の歌が生まれる瞬間は、生と死が隣り合うように神聖で、生々しい。
沖縄、六ヶ所村、広島原爆ドーム、神戸慰霊と復興のモニュメント……安易な共感ではない、それでも「生きろ」という厳しくも優しい、美しい歌に震えた。この時代に必要な希望を紡ぐ物語だと思う。(井上)