時にエンターテイナーのように音楽で自由に遊び、時に親しみやすい近所のお兄ちゃんのような距離の近さとユーモアで観客を沸かせ、時にロックスターのように圧倒的な熱量で会場を巨大なライブハウスに変えていた。
そのくらい立派なアリーナ級のアーティストにもかかわらず、最後のMCではっとりは「自分は弱くて、音楽に、ステージに縋っているのはあなたと同じ」と、飾らない言葉で会場にいる一人ひとりに語りかけていた。
目まぐるしく展開していくさまざまな演出も、インパクトを残したいとかそういうことではなくて、ライブを心から楽しみたいから、いろんな要素を詰め込んでいるのだ。そしてこのスタンスこそが、マカロニえんぴつのライブを唯一無二なものにしていると感じた。(有本早季)
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