No Busesの狂気的なエモサウンドに心酔する──自身最大規模のワンマンを観た

No Busesの狂気的なエモサウンドに心酔する──自身最大規模のワンマンを観た
開演前の楽屋で談笑している様子を、近藤がヘルメット装着したビデオカメラで撮ってステージビジョンに流すというゆっるゆるの登場で始まった久しぶりのワンマン。

笑い混じりの空気はギターが掻き鳴らされると一変。
孤独や葛藤を内包しながら、前に歩き出すようなエモーショナルなメロディに、ガレージロックやポストパンク、エレクトロなど、様々なジャンル、様々なフレーズからエッジーな部分だけすくいとったようなギターリフとビートが、時に狂気的に、時に包み込むような優しさで、心を揺らす。

持ち味のストイックな演奏、ライブスタイルはそのままに、この日は(ちょっと独特な)演出も多く、明らかにいつもと違った。

特に変化を感じたのは近藤の声だ。
これまで近藤は、どこか自分の声を楽器の1つとして捉えていたように思う。でも、今日は彼の「伝えたい」思いが声となり、バンドのグルーヴを引っ張るように力強く響いていた。

英詞が多いNo Busesだが、2月2日リリースの最新EPに収録されている“Them Us You Me”でも《目を見たい》と歌い、シャイながら前向きな変化が見られる。

エッジーなままどこまでポップになるのか、彼らの進化は多くの人に勇気を与えると思う。これからの成長が楽しみだ。(大橋麻里奈)


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