これ、絶対反則でしょ!! いい意味で、そして色んな意味で、予想を超えた驚きと感動の一夜だった。吉井和哉というパンドラの箱をすべて開ききったとでもいおうか。GOOD BY YOSHII KAZUYAツアー2日目@府中の森芸術劇場。ベストアルバム『18』をリリースした吉井は、このツアーによって本当の意味でデビュー20年、ソロ10年の歴史を総括することになるのだと確信した。つまり、絶対に今観るべきライブだということだ。
「あまり行かないような場所だからこそ選択される曲がある」と本人が語っていたが、今までのソロキャリアではあり得ない選曲にびっくりした。個人的には、映画『デッドマン』のサントラをニール・ヤングの代わりにベックがやったみたいな(わかりにくすぎる例えですいません!)セカンドのあの曲が聴けて喜んでいたら、さらにバンド時代のセカンドの名曲バラードが飛び出したり。これがまた今の吉井が歌うと普遍的な感動がある!
前回のツアーでも改めてしみじみと思ったが、吉井和哉は本当にいい曲がいっぱいある。それをこんなに実感させるのは、歌の力が今、全開になっているからだとも思う。
中盤のアコースティックコーナーもまた素晴らしかった。そこで座る椅子は自ら家具屋を回って、1930年代にイギリスで作られ客船のバーで使われていた椅子を用意したという。自分の部屋に招き入れたような親密さも、このツアーの特徴かもしれない。
既に書きたいことは山ほどあるが、まだまだ2日目、これから最終日5月18日福島に向けてどうなっていくのか、心から楽しみだ。
(井上)