tricot『爆裂トリコさん』を聴きながら、梅田AKASOワンマンを思う

tricot『爆裂トリコさん』を聴きながら、梅田AKASOワンマンを思う

先週リリースになったtricotのファーストミニアルバム『爆裂トリコさん』のニューミックス&リマスター盤を、毎日のように聴いている。

個人的にセカンドミニアルバム『小学生と宇宙』でtricotと出会って、最高にキテレツでフリーダムなロックに一瞬でぶっとばされたわけだが、廃盤になっていた『爆裂トリコさん』の曲はライヴで耳にするだけにとどまっていた。だから、この再発は本当に嬉しいし、待望だった。

YouTubeを観るだけで全身の血が沸きあがっていた“爆裂パニエさん”も、アンサンブルの妙が気持ちいい“bitter”も、圧倒的に切ない“42℃”も、流麗で攻撃的な“アナメイン”も、メロウで伸びやかな“slow
line”も、本当にすばらしい。
聴く人を解放していく野性的なリズムとアンサンブル、そして心の中にすっと手を差し伸べてくる美しいメロディ。当時からこんなに高いレベルでtricotはtricotの世界を完成させていたんだという、その事実に感動を抑えられない。

そして再発には、ライヴでイッキュウが弾き語る姿が印象的だった“Laststep(Acoustic)”が新録されている。下のMVもイッキュウが弾き語っているが、CDはキダ先輩がアコギを担当しているとのこと。
tricotはアッパーで激しいだけじゃない、すごく繊細で愛しい哀しみに満ちているんだ、ということがよくわかってもらえると思う。


そして今日の梅田AKASOでのワンマンをもって、ドラムのkomaki♂が脱退する。会場に行って最後の雄姿をこの目に焼き付けられないのが、無念でならない。
今回の決断は本当に残念だけれど、彼らの意志を尊重したいし、komaki♂とtricotの未来を信じて見守っていきたいと思う。

と思っていたら、ヨーロッパのフェスへ出演決定のニュースが出たりと、やっぱりtricotはイケイケだあ。
この胸の寂しさを吹き飛ばすように、これからも突っ走ってくれ!(小新井)
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