第16回:スガ シカオと浜崎貴司の志は同じです
2011.04.30 13:30
ホストはスガ シカオ、セッション・ゲストは浜崎貴司。
という、この組み合わせに関しては、ちょっと書きたいことがあります。
もうずいぶん前だけど、このあたりのことに関して、
スガ シカオにインタビューした時、話したことがあるからです。
スガ シカオがやっている音楽を、ジャンルでいうと、なんでしょう。
いわゆる、ファンク。と言っていいと思います。
ただ、彼のファンクとの取っ組み合い方って、実はそれまで、
日本においてはあんまり例のないそれだったのです。
何が。歌詞が、です。
シリアスなファンクをやる、ということが、です。
それこそ時には文学的な領域にまで踏み込むような
シリアスなことを、日本語で綴って、それを歌って、ファンクをやる。
ということがです。
それまでの日本語でファンクをやった音楽、
もしくはファンク的な要素を取り入れた音楽は
……って、僕もすべてを知っているわけじゃないが、
たとえば、以下のいずれかだったように、思います。
・コミックソングだったりパーティ・ソングだったり攻撃的だったり、
という、わりと能天気で明るくて派手めな歌詞になる。
例:TOPS
Men's 5
初期爆風スランプの激しい方向の曲(「えらいこっちゃ」とか)
初期米米CLUBの派手な方向の曲(「かっちょいい」とか)
・今でいうJ-POP、当時は歌謡曲シーンにまで届くような、
ポップな音楽の方向にファンクを寄せていく。
ゆえにラブ・ソングが多くなる。
例:久保田利伸
米米CLUBのしっとり方向の曲(「浪漫飛行」とか)
・言葉をシリアスにしていくことによって、ファンクじゃなくて、
どんどんロックの方に寄っていく。
例:たくさんいると思います。というか、
「ファンク要素を取り入れたロック」ってことですよね、要は。
という先人たちを否定したいわけではないけど、でも、
スガさんがやりたいのはそうじゃなくて、シリアスな言葉を、
そのまんまファンクである音楽にのっける、っていうことですよね。
という話を、インタビューで、したのでした。
スガ シカオ、「まさにそうです!」と激しく同意してくれました。
で、そこまではよかったんですが。
続けて、
「そういうシリアスな日本語をファンクにのっけた前例って、
ないわけじゃないけど、少ないですもんね。
じゃがたらと、岡村靖幸くらいですよね」
と、言った時の、スガ シカオの答え。
「フライング・キッズもです!!」
すごい勢いで、食い気味に言われて、
「ああっそうでしたそうでした、すみませんすみません」
と、あわてて謝ったのを憶えています。
つまり、スガ シカオにとって、数少ない「先にやられた先輩」の
ひとりなわけです、浜崎貴司という存在は。
……って書いて思い出した。
あれ? でも、歳、おんなじくらいじゃなかったっけ?
キャリアは全然フライング・キッズの方が長いけど、
スガさん、デビューしたの30歳だったし。
調べてみました。
スガ シカオ、1966年生まれ、44歳。
浜崎貴司、1965年生まれ、45歳。
同世代、といっていいですね。
最大の敬意と、最大のライバル意識をもって、
スガ シカオ、浜崎貴司と共に、ステージに立つと思います。
5月3日、2番手、12:30から出演。期待しましょう。
JAPAN JAM 2011 公式サイト http://japanjam.jp/2011/