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    YUKI『FLY』を聴きながら書いた個人的な感想

    YUKI『FLY』を聴きながら書いた個人的な感想

    YUKI最新作『FLY』。
    昨日発売ですね。みなさんガンガン聴いてますか?

    僕もガンガン聴いてます。
    ガンガン聴いてるのは事実ですが、ガンガンな気分で聴いているわけではないなあ、と今やっぱりガンガン聴きながら思っています。
    強いて言うなら、すっごく自分のペースで、ゆっくりじっくり何回も聴いているなあという感じです。
    YUKIのパワーにぐわんと飲み込まれて、ガンガン聴いているうちにガンガンな気分になってきて、いつの間にかえらい元気になっている、というエナジードリンクのような作用をこれまでの作品だとするなら、この作品は、自分のお気に入りのコーヒー豆を自分でミルしてじっくり淹れたとびきりのコーヒー、そんな感じがします。
    キザな言い方ですか?
    いいじゃないですか、たまには。
    大体、キザとかそういう問題じゃないんですよ、大事なことは。

    要するに、『FLY』というのは、そんな、「自分だけでいるときの自分」をさらけ出させてしまうすごいアルバムなんです。
    しかも、それが気持ちいいんです。

    僕が思うに、YUKIはそういうアルバムを作ろうと思ったんじゃないかと思います。
    自分をちゃんと書こうを思ったんじゃないかと思います。
    静かでとても親しみ深いアルバムと言っていいアルバムです。

    それをもって、「YUKIはそういう作品を作る気分だったんだ」とも言えますし、「そういう年齢になったんだ」とも言えますし、その両方かもしれませんし、あるいは単なる気まぐれなのかもしれません。
    でも、これは僕にとって、今のYUKIそのものです。
    そして、そうして作られたこのものすごく等身大(にしか聴こえないほど)のアルバムは、やはり聞き手の等身大をそのまま写してみせる、YUKIのアルバムとしてはすごく新しいアルバムです。
    YUKIらしい、とても優しくて、でも背中をばしんと力強く叩くような優しい厳しさもあるアルバムだと思います。
    やっぱりYUKIは、そうやって自分自身として生きる女の子たちの、というか、そういう人たち全員の味方なんだと思います。

    9月30日発売のJAPANは、そんなYUKIが12年ぶりに表紙に登場してくれます。
    インタヴューは必読です。
    『FLY』を何度も何度も聴いてから読んでもらえれば、きっとより一層、YUKIの今言いたいことがわかるんじゃないかと思います。

    絶対読んでほしいです。
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