2～3曲目の“タイムカプセル”“My Vision”というギターロック、また最後から2～3曲目の“It’s 盟友”“Naked”というダンスチューンにより、中間の多彩なポップソングを挟み込む構成が印象的な11作目。白眉は峯田和伸作詞・作曲の“Dreamin'”。2005年の銀杏BOYZ“駆け抜けて性春”への客演で《わたしはまぼろしなの》と歌ったYUKIが、今回は《幻でも夢でもいいの だいすき》と歌っており、（この間にも“恋は永遠”での共演はあったが）年月を経た連続性に胸が熱くなる。YUKIの歌唱ながら峯田からYUKIへのラブソングに聴こえてならないところも含め、マジカルな名曲だ。また、既発であるものの、“パレードが続くなら”の《燃え尽きるまで　やめない　命のパレード》、そして“鳴り響く限り”の《笑いながら　命が　鳴り響く限り》というライン。アルバムの最初と最後に配置されたからこそ、ソロ20周年の節目におけるYUKIの意志を改めて強く感じさせる。未だ見ぬポップの飽くなき追求と、何にも侵されない孤高のアーティスト像の確立。成してきたことは小さくないが、闘いは続いていく。（長瀬昇）

（『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より）

---

ご購入はこちら

Amazon

楽天ブックス

セブンネットショッピング

タワーレコード オンライン

HMV＆BOOKS online

Fujisan.co.jp

他ラインナップはこちら