椎名林檎、「ひょっとしてレコ発2018」ツアー、NHKホール公演を観て

椎名林檎、「ひょっとしてレコ発2018」ツアー、NHKホール公演を観て
コードの美学が究極まで洗練された、だからこそシンプルな、無駄なものの一切存在しない世界。
しかし、この世界はどこまでも華美で豪奢でクラシカルな風合いに包まれたものであるというのが凄い。

確かな決まりごとの中で心の揺らぎと精神の自由を求めていく束の間の背徳こそが椎名林檎のライブであると規定するなら、このツアーではまさに極上の遊びが表現されている。
一矢乱れることのないコードの中で、不穏な不協和音すらこの世界に必要なハーモニーとして愛でられ、正しい場所に置かれていく。
繊細な針の穴を通し続ける時間が連なっていくような、信じがたいほどに徹底されるこの「完璧さ」は、しかし信じられないほどにキュートで素敵なものである。
その二律背反する有り様における、そんなふたつの要素の間にあるエアーポケットを見るたびに、椎名林檎の凄まじさを感じる。

素晴らしいショーだった。
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