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    ジュリアン・カサブランカス&カレンOが、レディへ、ルー・リードやライバル意識を語り合う

    ジュリアン・カサブランカス&カレンOが、レディへ、ルー・リードやライバル意識を語り合う

    お互いバンドのボーカルでありながら、同時期にソロ作を発売のカレンOとジュリアン・カサブランカスが、NYタイムアウトで対談している。中々ずっこけな内容でありつつ面白い。

    カレンOは、ソロ作『クラッシュ・ソングス』をジュリアン・カサブランカスが創設したカルト・レコーズから発売という間柄なのだけど、驚いたことに、最近になるまで話したことがなかったそう。それは、同時期にNY発デビューしたバンドとしてのライバル意識でもあったそうなのだが。以下要約。
    http://consequenceofsound.net/2014/09/julian-casablancas-and-karen-o-interview-each-other-about-radiohead-dirty-dancing-and-their-early-rivalry/


    ●レディオヘッドについて。
    1問目は、ジュリアンからカレンOへ。
    ジュリアン「僕が聞きたかったのは、レディオヘッド好き?」
    カレン「レディオヘッド好きよ(笑)」
    ジュリアン「トム・ヨークに似た人が歩いているのを見て、君はレディオヘッドが好きかな?って思ったんだよね。なんとなく好き?それともすごく好き?」
    カレン「トム・ヨークはすごくスペシャルな人だと思うわ。とにかくあのボーカルにやられたのよね。それって私がシンガーだからってだけじゃなくて、自分でも曲を書くというのも大きいと思う。ただ、私は音楽を聞くとやっぱりボーカルに一番引かれるのよね。それで、トム・ヨークのボーカルって、途方もないでしょ。その以外は……」
    ジュリアン「最悪だけどね。ウソ、冗談」

    ●インスピレーション
    カレン「音楽を作る時に何に一番インスピレーションを受ける?私は映画が一番で、詩がニ番なんだけど」
    ジュリアン「クアーズライトのコマーシャル以外で言うと……これはつまらない答えだけど、音楽のインスピレーションになるのは、やっぱり音楽そのものだね。人生という意味では、偉大なるスピーチとか、素晴らしい本とかだけど」
    カレン「何で聞いたかと言うと、あなたのソロの新作を聞いていると、どこか別の場所へ移動したような気分になるからなの。ディストピアなSF映画でも見ているような気分になるわ。映画に影響されたりしなかったの?」
    ジュリアン「例えば、『レポ・マン』とか。レコーディングしている時に、TVの音を消して色々カッコいいものを見ていたんだけど、中でも好きだったのは、『80 Blocks from Tiffany's』っていう映画で、それは、70年代のブロンクスのギャングについてドキュメンタリー映画だったんだよね」

    ●『ダーティ・ダンシング』
    ジュリアン「次は僕が聞く番だ。『ダーティ・ダンシング』は好き?」
    カレン「好きよ!公開された時大好きだったわ。パトリック・スウェイジー……」
    ジュリアン「ジョニー・キャッスル(スウェイジーの役名)だろ。僕はホテルに泊まる時、それを偽名にしてたんだ」
    カレン「私はサントラも持っていると思うわ。子供の頃は映画のサントラが大好きだったから」

    ●歌詞&ルー・リードについて。
    カレン「あなたは、この世代において最も偉大な歌詞を書くライターだと思うわ」
    ジュリアン「マジ?!そんなはずないよ。でもありがとう」
    カレン「あなたの歌詞は、すごく荘厳だったりすると思うの」
    ジュリアン「良い歌詞を書くのは、意味があって、深いレベルで感動できて、でも響きも良くて、でも、軽く楽しめるような感じじゃなくちゃいけない」
    カレン「ルー・リードはそれに長けていたと思うわ」
    ジュリアン「彼は最高だったよ。僕が19歳くらいの時に、本屋で彼の本のサイン会があったんだ。ぎりぎりに行っちゃって、彼が帰りそうになっていたんだ。だから、買うお金があるのかどうかも分からなかったけど、とにかくそこにあった本を掴んで、彼を止めたんだ。そしたら、彼は、完璧変な人で、感動的に狂っていたよ」

    ●NYシーンについて、ライバル心について。
    ジュリアン「僕ら、マーキュリー・ラウンジ(キャパ200人の会場)でやったライブで会ったよね?」
    カレン「すごく初期の頃ね」
    ジュリアン「まだお互いにレコード契約してなかったんだよね。僕らの前に君達が演奏したんだっけ?」
    カレン「ええ」
    ジュリアン「君たちが演奏していたのは覚えているんだけど、僕は、ライブの前にナーバスになってるから、前にも言ったと思うけど」
    カレン「そうね」
    ジュリアン「ヤー・ヤー・ヤーズを見て、クールだって思ったんだ。一体何なんだ、ってね。ギタリストひとりなんて。オリジナルなセットアップだな、ってね」
    カレン「あなたは、私にとってはかなり長い間ライバルだったわ」
    ジュリアン「僕は全然そんな風には見てなかったよ」
    カレン「当たり前よ!だってあなた達はトップにいたから。あなたがシーンを支配していたから」
    ジュリアン「気付かなかったよ。それにお互いよく知らなかったしね」
    カレン「それにあの当時は、”ボーイズ・クラブ”的な時代だったじゃない。私は(女だから)いつものけ者みたいに感じていたの。でもすごく良い意味でね」
    ジュリアン「僕は君のファンだけど、最近になるまで一緒につるんだりしたこともなかったよね」
    カレン「ジョシュ・オムにも言ったことがあるんだけど、フロント同士って仲良くならないんだと思うわ。30代になってからはじめて、他のフロントの人と、仲良くなるように努力し始めたから。実際話してみると最高で、もっと若くて自信のない時に仲良くなっておけばよかったと思ったわ」

    全文、および、もっと写真が見たい方はこちら。
    http://www.shesfixingherhair.co.uk/blog/julian-casablancas-karen-o-time-magazine-new-york-interview
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