トロント映画祭も書ききれてないけど、『CUT』最新号(11月号・発売中)に絶賛掲載中なのでぜひ読んでください!
実は、トロント映画祭でも公開され、NY映画祭でようやく見れたローリー・アンダーソンの映画『Heart of a Dog』がとてもスペシャルな作品だった。
内容は、亡くなった愛犬について。それだけでもかなり悲しいテーマだが、映画の中で、彼女の家族や生い立ちについても徐々に明かされていく。それが、時に衝撃的だったりする。例えば子供の頃、まだ赤ちゃんだった双子の弟を凍った池で溺れさせてしまった話とか……彼女が必死になって助けるのだけど、それを聞いている時は、心臓が止まる思いだった。また、彼女が脊髄を痛めて、もう歩けなくなると言われたことなど……絶対歩けると言い聞かせるのだけど。もっと決定的なこともあるけど、あまり書くと面白くないので、我慢する。
この映画の素晴らしいところは、そういう人生の様々な出来事を繋ぎながらも、人間とは、愛とは、そして最終的には死とは、を考えさせられる作品であるということ。しかも、そのトーンにどこか癒しがあり、不思議とゆっくり諭されているような気分になるのだ。
彼女自身は、この作品を「悲しくならずして、悲しみを感じる練習をした映画」と語っている。
予告編はこちら。