UKグラム・ロック・バンド、ザ・ストラッツが全米デビュー。最新ライブを観た

  • UKグラム・ロック・バンド、ザ・ストラッツが全米デビュー。最新ライブを観た - pics by AKEMI NAKAMURA

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イギリスのグラム・ロック・バンド、ザ・ストラッツのデビュー作『エヴリバディ・ウォンツ』がアメリカで3月4日に発売となり、それを記念したライブが3月3日にNYで行われた。イギリスでは2014年に発売されていたアルバムなので、満を持してのアメリカ進出で、会場は待ちに待ったファンで大盛り上がり。

これまでローリング・ストーンズや、モトリー・クルーの前座も務めたことがあるという彼らは、王道クラッシック・ロックのきらめきを引き継いだ最近観ないタイプのバンド、というところが最大の特徴。

この日の会場は、アーヴィング・プラザでキャパは1000人程度なのだけど、彼らとファンにとっては、アリーナに見えているんじゃないかという盛り上がり。

驚いたことのひとつは、1時間半弱のライブで、なんとヴォーカルのルーク・スピラーが4回も着替えていたこと! 最近ヴォーカルで着替える人を観た記憶がないんだが……。あとでWWD誌の記事を読んだら、なんとクイーンの衣装を手がけていることでも有名なザンドラ・ローズがデザインしているとのこと。2014年に8万人の前でストーンズの前座をやることになった時に、彼女に連絡してみたのがきっかけだったそうだ。本人は「多くの人達に届かなくてはいけないと思ったから」ド派手な衣装を着ているらしい。その成果あってか、現在までに彼らのシングル“クッド・ハヴ・ビーン・ミー”はSpotifyで900万回もストリームされたそう。

ルークはステージ上でのカリスマ性のみならず、ライブ中の観客との結びつきに手を抜かない。会場は常に大合唱なんだけど、会場を右と左に分けて、声の大きさを競うなんていうベタなやり取りから、バンドではお決まりになっているらしい、観客を一旦床に座らせ、そこから一斉にジャンプする、なんていう超ド派手な動きまでさせていた。

ライヴが始まる前は、ジャーニーの“ドント・ストップ・ビリーヴィン”がかかり、観客が大合唱。ライブ中に「その声が楽屋まで聴こえて嬉しかった」とルークが言っていたが、その合唱を聴いた時になるほどと思った。ここに集まっているファンの中には、例えば“ドント・ストップ・ビリーヴィン”をドラマ『グリー』や『アメリカン・アイドル』などで知り、そこからクラシック・ロックを好きになったという今の世代も半分以上いたように思えたのだ。なので、ファン層は若いが様々な人達が混じっていたのも、その間口の広さを表していたように思う。

サウンドやパフォーマンスには、クイーンのフレディー・マーキュリーを彷彿とさせるような場面が多々あるし、そのメロディはみんながすぐに合唱したくなるくらい強烈ではある。が、ロックの危険さが丸出しというよりは、むしろ思いきり爽やかでサラッとしていて、そこが彼ららしさであり、モダンに聴こえた理由だったと思う。

バンドは、ここまで来るのに5年間かかったと語っていて、アルバムが発売され、NYでライヴできることが本当に嬉しいと何度もお礼を言っていた。ボウイの“レベル・レベル”もカヴァーしていた。アリーナ・ロックのド派手さがありながら、どこかインディ・スピリットなところも興味深かった。ちょっと前ならザ・ダークネスがグラムだったが、当時はインディ全盛だったので、むしろ真反対のサウンドがカッコ良い+面白かったが、今はそういうシーンもない。だから良くも悪くもどの方向にでも向かえそうなバンドなので、今後どのような展開でファンを獲得していくのか楽しみだ。

大ヒットとなった“クッド・ハヴ・ビーン・ミー”は、ストロークスに始まりクイーンに終わるみたいな曲。こちら。

より爽やかな“プット・ユア・マネー・オン・ミー”。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
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