pic by AKEMI NAKAMURA
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ケンドリック・ラマーがオバマに感謝。ヒッポホップ界がホワイトハウスに招待されることは「今後二度とないかも」と
12月16日（金）にNYで、キャパたった550人の会場でライブを行ったケンドリック・ラマー。
なんと私も幸運なことにチケットが買えて、フェスのヘッドライナーを飾る今のヒップホップ界のスーパー・スターを超至近距離で観てしまった。「こんな狭い会場でやるのは何年ぶりだろう」と語っていたケンドリック。始まって早々、ファンひとりひとりの目をものすごく鋭い視線でじっくりと見つめながら、狭い会場ならではの濃厚なコミュニケーションでライブをやったので本当に感動した。実はそのライブが行われる前に『XXL』が楽屋に行ったようで、ケンドリックにインタビューをしている。そこで、もう少しで任期が終わるオバマ大統領について聞いている。
http://www.xxlmag.com/news/2016/12/kendrick-lamar-president-obama-interview/
ケンドリックは、オバマ大統領が、「俺達ラッパーをホワイトハウスに招待してくれたことを誉めるべきだと思う。なぜなら、俺達がホワイトハウスの中に入るなんてことは、今後は二度とないかもしれないと思うからね」と語り、オバマ大統領と、これまでになかった大統領とヒップホップ界との結びつきに感謝している。
実際ヒップホップ界のみならず、『サタデー・ナイト・ライブ』に出演したコメディ界のスーパー・スター、デイブ・シャペルも、オバマがBET（TV局）主催のホワイトハウスのイベントに参加した時に、「ホワイトハウスの会場がほぼ全員黒人で埋めつくされたのを見た時、かつてはあり得ないことだったので、みんなの笑顔を見て感動した」と語っていた。実際、トランプが大統領になってホワイトハウスが黒人で埋めつくされるのは想像しがたい。
最近ミッシェルもTVに出演して語っていたが、彼らは意識して、ホワイトハウスをより多くの人達に開放したと言っていた。
オバマは、独立記念日のパーティはじめ、ケンドリックを何度もホワイトハウスに招待していて、オバマが自分と「友達」と思えるように接してくれたことにも感動している。オバマの人格に影響を受けたようで、「将来彼のような人になりたい」とも語っていた。
オバマは、ラッパーを招待しただけでなく、実際彼らをちゃんと理解している。今年の10月にラジオに出て好きなラッパーを5人挙げた際に、その理由や分析が的確だったので、みんなが感動し、こんなクールな大統領はもう二度と誕生しないだろうと、その時からすでに惜しまれていた。オバマが挙げた好きなラッパーは、ケンドリック、チャンス・ザ・ラッパー、Jay Z、カニエ・ウェスト、ドレイクだった。
http://ew.com/article/2016/10/28/president-obama-favorite-rappers/
ちなみに、ケンドリックのNYライブで面白かったのは、観客席からファンをステージに上げてフリースタイルのバトル（？）をしたこと。こんな世界一のラッパーのステージに堂々上がる人がいるというのがまたNYらしいと思ったのだけど。1人目は、酔っぱらってるようなダメダメな人で大ブーイングとなり即退場（笑）。2人目は1人目よりずっと上手くて、ケンドリックとバトルしていた。そして3人目は、アカペラでやってその内容が今のNYの問題を訴えた素晴らしい内容だったため、ケンドリックは聴き入り、「このまま頑張れ！」と激励していた。徐々に上手くなっていくなんて台本に書かれていたみたいだけど、マジでその場で選んでいたのでスゴい。
ケンドリックがこの日着ていたTシャツには“ワーキング・クラス・ヒーロー”と書かれていて、ロビン・フッドの絵が描かれていた。背中には、「金持ちから奪い、貧しい人達に分け与えた」と書かれていて、クレジットカード会社が主催したイベントではあったが、静かに政治的なメッセージを送っていたのがカッコ良かった。
この日のセットリストは以下の通り。
untitled 07 | levitate
Institutionalized
Backseat Freestyle
m.A.A.d. City
Swimming Pools (Drank)
Collard Greens
That Part
These Walls
untitled 02 | 06.23.2014
Complexion (A Zulu Love)
Bitch, Don't Kill My Vibe
Money Trees
m.A.A.d. City (Reprise)
A.D.H.D.
King Kunta
Alright
Encore
A.D.H.D. (Reprise)
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