久しぶりに観たのだけど、いきなりふたりとも真っ白な衣装で登場し王子のようで相変わらずカッコ良かった。“Cherry Blossom Girl”など昔の曲をそのまま演奏していたのだけど、久しぶりに聴いたら、時代が一周したのか、または永遠にカッコ良かったのか、すごくしっくりと響くサウンドでそれが驚異的に思えた。
5)トゥール:
大トリにふさわしい内容。メイナードは相変わらず暗闇に隠れ、この日はロボコップのような格好をしていた。しかし、改めて、今の時代に彼らの音楽こそがぴったりだと思えるような内容だった。怒りを直撃でぶつけるでもなく、単に楽観的なわけでもなく、辛いから踊れというものでもない。そのすべてを使いながら、巨大な絵を巧みな技術と、フックのあるサウンドで、ゆっくりと描いていくような壮大なサウンドを展開。しかし明らかにこの世の終わりを見つめているような、これぞ、今の世界を描くぴったりだと思えるサウンドだった。演奏しているのは、かつての曲ばかりだったのだが。大きくアレンジが変えられているようにも思えなかった。でも、そのまま完璧だった。
メイナードは、「きっと世界は大丈夫だから」と途中で言った。しかしそれに続けて、「いやダメかも」と付け足した。本能に直撃し、しかし深く考えを巡らせたくなるような本当に最高のライブだった。
3日間終ってみて、くたくただったけど、やはりフェスは最高!このフェスでのベストは、チャンス・ザ・ラッパー、チャイルディッシュ・ガンビーノ、トゥール、そしてロード。3日を通して、ロードが出た初日は、ショートショーツにロングストレートの女子が大量にいたのに始まり、2日目は、いい案配で女子と男子が混じり、しかし年齢層はまだ若いまま。3日目は、黒いTシャツを着た年齢ちょっと高めの男子が増えるという具合にフェスのラインアップもなんとなく別れていて、観客層が少しずつ変わっていったのも良かった。
フェスは無事終ったのだが、出口を出た瞬間に、機関銃を持った軍隊が、1メートルごとにバス乗り場まで並んでいた。もちろん、マンチェスターで起きたアリアナ・グランデのコンサート直後のテロ事件があったからだ。NYのライブは911後は常に、金属探知機、ボディチェック、カバンチェックなどもあったのだが、今年のライブもフェスも、セキュリティはとりわけ厳しくなるだろう。とにかく何事もなくて良かった。フェスは、1日約5万人、3日間で15万人を集めた。
フェスシーズン到来。日本の皆さんも、夏フェス楽しめますように!