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    ケンドリック・ラマー、“HUMBLE.”の観客大合唱がハンパない映像+祝『ダム』200万枚超え!

    ケンドリック・ラマー、“HUMBLE.”の観客大合唱がハンパない映像+祝『ダム』200万枚超え!

    ケンドリック・ラマーは、現在『ダム』の全米ツアー中。NYでもキャパ約2万人のバークレイズ・センターで7月20日、23日と2日間ライブを行ったのだが、さすがその盛り上がりは最高頂だった。とりわけ各地で定番化している“HUMBLE.”の観客大合唱が圧巻。会場がアップした映像はこちら。ケンドリックが最後に見せる笑顔がかわいいので注目。

    Brooklyn, you did good. #HUMBLE #KendrickBKLYN

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    また4月に発売した『ダム』、発売3ヶ月ですでに200万枚を超えダブルプラチナムにも認定された。その記念写真も舞台裏で撮っていたよう。

    Double Platinum. 📀💿 Congrats, @kendricklamar!

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    ケンドリックは、ちょうど1年前に「パノラマ」というNYのフェスでもヘッドライナーを飾り、そのステージも観たが、あの時は、“Alright”が「ブラック・ライブズ・マター」のアンセムとなり、ケンドリックが時代の声となった後だった。さらに大統領選挙の前ということもあり、スクリーンにもオバマ大統領やジョージ・W・ブッシュ、モハメド・アリなどが映し出される非常に政治色の強い内容になっていた。しかし、今回は、すでにその先を見た内容になっていたと思う。

    そもそも、最初に出したシングルのタイトルは「謙虚になれ」である。アメリカの大統領が「アメリカこそ一番!」と豪語する中で、「ファック!」と中指を立てるでもなく、「謙虚になれ」という新たなアンセムを生み出し、アルバム全編においても、自分との闘いを繰り広げている。人間としてあまりに出来すぎている。それに若者達が賛同して、200万枚も売り上げを記録するなんて。この絶望的に感じる時代において、アメリカの希望のように思える。

    この日のライブも特徴的だったのは、本当にケンドリックはほぼひとりで、何もないまっさらなステージでひとり闘っていたこと。バンドもどこにいるのか見えないようになっていたし、もちろん少しのパイロは上がるのだけど、紙吹雪もなく、曲を盛り上げるための過剰なセットは何もない。しかし、それで最高に盛り上がるのだ。なぜならケンドリックのエネルギーに溢れ、自信に溢れた、現在史上最高と言われているラップが堪能できるわけだから。それだけで会場の熱気は凄いし、アリーナなのにストリートに群衆が集まってヒーローを取り囲んでいるような光景が広がるのだ。だから、ケンドリック以外は何もいらないのだ。

    DAMN. #KendrickBKLYN #theDAMNtour

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    ライブには、「誰も俺のために祈ってくれない」というフレーズが何度も流れ、それが孤独な闘いであることを象徴していた。数少ないダンサー?は最初に登場し、ご覧のように、ケンドリックと共に真剣勝負を見せてくれた。

    KUNG. FU. KENNY. ⚔️ #KendrickBKLYN #theDAMNtour #KungFuKenny

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    また「カンフー・ケニー」が師匠に自分がいかにして強くなれば良いのか問うという設定になっているため、ご覧のように、衣装はブルース・リーみたいだった!

    2日目には、2チェインズとトラヴィス・スコットが登場。その瞬間、思いきり華やかに、そして良い具合に緊迫した空気が緩くなったので、いかにケンドリックが真剣勝負だったのかが良く分かった。

    2 CHAINZ x KENDRICK LAMAR x TRAVIS SCOTT. That just happened. #KendrickBKLYN

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    ケンドリックはアルバム発売後のインタビューで、「俺の曲は俺のものじゃない。聴いてくれる人のものだ」と断言していた。自分の使命から逃げていないところが最高にカッコ良いと思った。つまり、“HUMBLE.”の大合唱はいかに、その曲が観客のものになっていたのかを象徴していたと思うのだ。前回のフェスのヘッドライナーでも正に今のアメリカの頂点、というライブだったが、今回その自己記録を更新したさらにその上を行くライブになっていた。詳しくは8月1日発売のロッキング・オン9月号『コレポン通信』で。

    2日目のセットリスト
    1. DNA.
    2. ELEMENT.
    3. King Kunta
    4. untitled 07 | 2014-2016
    5. untitled 02 | 06.23.2014
    6. Mask Off (Future cover)
    7. Collard Greens (ScHoolboy Q cover)
    8. Swimming Pools (Drank)
    9. Backseat Freestyle
    10. LOYALTY.
    11. LUST.
    12. Money Trees
    13. XXX.
    14. m.A.A.d city
    15. PRIDE.
    16. LOVE.
    17. 4 AM ( 2 Chainz Cover )(with 2 Chainz)
    18. goosebumps (Travis Scott cover ) (with 2 Chainz and Travis Scott)
    19. Bitch, Don't Kill My Vibe
    20. Alright
    21. HUMBLE.

    Encore
    22. GOD.
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