『ボヘミアン・ラプソディ』にアダム・ランバートがカメオ出演しているのは皆さん知っていたと思うが、先日その写真をツイートで公開し、その後撮影中の映像を公開した。
劇中、バンドのツアー中にフレディ・マーキュリーが婚約者に電話。トラック運転手に目を付けられ、トレイに向かうというシーンだ。2人の心が離れているのを象徴しているシーンだが、まさかトラック運転手がアダム・ランバートだったとは。
アダム・ランバートは、2009年に『アメリカン・アイドル』でブライアン・メイとロジャー・テイラーと共演。その後、クイーンのツアーでボーカルを務め世界ツアーを回っている。この夏にも、再びクイーンのツアーが行われる。
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今週末アメリカでは、スーパーボウルが行われるのだが、アダム・ランバートは”The Late Late Show”に出演し、スーパーボウルにかけたクイーンの替え歌を披露している。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、ゴールデン・グローブでラミ・マレックが主演男優賞を受賞したばかりか、コメディ/ミュージカル部門で作品賞まで受賞。これは誰も予想していない結果だった。しかし、そこから勢いが付き、先日発表された全米映画俳優組合賞でもラミ・マレックがまさかの主演男優賞を受賞。スピーチはこちら。
「再びクイーンとフレディ・マーキュリーにお礼を言いたい。彼からパワーを授かったと思うから。毎日頑張って自分なりに最高の人生を歩め。自分が目指す人間になれ。望むことはすべて達成しろ。そう言ってくれたように感じられたし、彼がみんなにそう思わせてくれたから」と。獲れなかった4人の俳優が不満な顔を隠し切れていないのが興味深い。
俳優組合賞の結果が意味があるのは、アカデミー賞で投票する会員の中で、俳優の割合が一番多いから。例えば去年は、俳優組合賞で受賞した俳優4人全員がオスカーを受賞している。その前の年も同様だ。ただし今年は、助演女優賞で受賞したホラー映画『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントが、オスカーにノミネートすらされていない。
また、事実上の作品賞は『ブラックパンサー』が獲った。通常であれば、俳優組合賞で作品賞を獲るとオスカーの作品賞に大手なのだが、『ブラックパンサー』は、オスカーでは作品賞以外の主要部門である俳優も、監督も、脚本もノミネートされていない。それに、作品賞を獲る可能性は非常に低い。
今年の場合は、ホラー映画とスーパーヒーロー映画という、今の若者が最も観る2つのジャンルに対するオスカーの偏見と時代遅れ感のせいでこういう事態になっているのだと思う。今アメリカで最も売れているジャンルであるヒップホップを長年無視してきたグラミー賞と似ている。つまり、両方とも白人のおじさん達が長年仕切ってきたことと現実のギャップが大きくなりすぎた結果だと思う。
というわけで、グラミー賞もそうなのだが、オスカーがどのように転ぶのか。権威が現実にどのように答えるのか、という意味で注目したい。
オスカーの発表は2月24日。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、アメリカでは2月12日にDVDが発売される。