先日クリス・コーネルの追悼に出演し、"All the Night”をカバーしたフィオナ・アップル。
https://youtu.be/Cwyxdv0QgfU
その変わらない強烈なボーカルを披露したばかりだが、なんと今度は、注目の新人キング・プリンセスとコラボで、1999年に発売した彼女のセカンドアルバム、『When the Pawn~』以下90語から成るタイトルで日本語タイトルは『真実』から、”I Know”をSpotifyで発表した。
これは聴いてもらえば分かるが、基本的には、キング・プリンセスがカバーしていて、フィオナがゲスト・ボーカルで参加している。フィオナの曲をフィオナと一緒にカバーできるというキング・プリンセスの度胸にまず感動だが、同時にそれだけ時代が流れたのかも、とも思った。
何より、フィオナが笑顔なのが嬉しい。
フィオナが今回のコラボについてなんとコメントを出している。超驚き!よっぽど彼女と気が合ったのだろう。こんな穏やかな顔で喋ってるの超珍しい。
「今回のキング・プリンセスとの共演についてだけど、もともと何がきっかけだったのか忘れてしまった。でも、私が彼女に曲を書いて送ったの。それは、彼女のこれから発売されるアルバムに収録されることになると思う。私は、彼女の声が大好きだし、自信に溢れたところが大好きだし、カリスマ性が大好き。彼女に会って、すぐに親友になった。彼女の心がすごく好きになった。
それで彼女が“Know”を一緒にやりたいと言ったのだけど、でもこの曲はデュエットできる曲ではない。だから彼女に歌ってもらいたいと思った。ほとんどカバーという感じで彼女に歌って欲しかった。それで、私はバックで低音のピアノと低音のハーモニーをやることにした。だから私は友達をものすごく支えながら、ものすごく大人しいハイプマンになった、って感じだった。それがこの曲にまつわる物語。それでは良い1日を」
今回のカバーの他に、フィオナの書き下ろしが彼女のアルバムに収録されるのか!きゃあ、嬉しい。
キング・プリンセスは、BBCも2019年のサウンドに選んだ注目の新人。最終的には次点だった。
https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-46757979
マーク・ロンソンのレーベルから発売され話題になった"1950"。
またハリー・スタイルズが彼女の歌詞をツイートしたので超話題にもなった。
ちなみに、ハリーは、去年のツアーでケイシー・マスグレイブスを前座に選んでいた。彼女は結局去年のベストアルバムリストに軒並み選ばれたばかりか、グラミー賞にもノミネートで大快挙。ハリーが一貫して女性アーティストを支援していて素敵だ。
キング・プリンセスは、ゲイであることを公言して、すでに「クィアのアイコン」的な存在。去年ライブに行ったけど、彼女のファンがみんなクールで明るくて、オシャレでかわいい子達ばかりだった。そこにいるだけでも自分も楽しかった。女子のグループもたくさんいて女子校なノリだったし、かわいいゲイの男の子達もグループでたくさん来ていた。
私のゲイの男の子の友達も彼女の大ファンで、彼曰く、レズビアンではあるけどクラスにいたら密かにデートしたいと思うようなタイプ、なのだとか。実際ステージに立った姿を観て納得。観客を牽引するリーダー的な態度が自然にあって、誰でもついて行きたいと思うようなタイプなのだ。つまりカリスマ性がある。
去年は、スネイル・メイル、サッカー・マミーなど、新人の女性アーティストがみんな素晴らしかったが、彼女は中でもサウンドが最もポップだった。すでに大スター!と言ってしまいたいような輝きと可能性の塊に観えた。ステージでの話し方などは、マイリー・サイラスを彷彿とさせる瞬間などもあった。お父さんがブルックリンでレコーディング・スタジオを経営しているというのが、NYっ子らしくていいなあと思ったし、そこが彼女のエッジになっていると思った。
“1950”のライブ映像。
現時点では、去年発売されたEP“Make My Bed”のみ。今年は、NYのフェス、ガバナーズボールなどにも出演。いつ出るのか分からないが、デビュー・アルバムが楽しみだ。
フィオナは、トランプ批判の曲などを披露したりしているが、新作の予定などは聞いていない。健在でいてくれているだけで嬉しい。もちろんアルバムなんて出た日には泣いちゃうが。