R.E.M.、フィービー・ブリジャーズなど、なんと40組ものアーティストが「アメリカで崩壊する民主主義を守るため」に未発表曲を24時間限定、Bandcampで販売。その収益は全額寄付される

R.E.M.、フィービー・ブリジャーズなど、なんと40組ものアーティストが「アメリカで崩壊する民主主義を守るため」に未発表曲を24時間限定、Bandcampで販売。その収益は全額寄付される

米大統領選挙まであと2ヶ月というところで、緊迫感が増す今日この頃だが、コロナ禍において始まった、毎月第一金曜日にBandcampが行なう「Bandcamp Friday」(利益がアーティストに100%支払われる)に、なんと40組ものミュージシャンが参加。

「Good Music To Avert The Collapse of American Democracy=アメリカにおける民主主義の崩壊を避けるための良い音楽」と題したアルバムを発表することになった。全て未発表曲で、「Bandcamp Friday」が行なわれている24時間だけ購入が可能だ。R.E.M.から、フィービー・ブリジャーズ、コートニー・バーネットザ・ナショナルのマット・バーニンガー、フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールド、サッカー・マミー、エンジェル・オルセン、デス・キャブ・フォー・キューティージェフ・トゥイーディーデヴェンドラ・バンハートなどなど、書ききれないくらい多くのインディ・シーンにおける超豪華メンツが結集している。

またこの他、選挙に向けてのアーティストの最新の動きもいくつか紹介したい。

●『Good Music To Avert The Collapse of American Democracy』

アルバムのトラック・リストはこちら。
1. Hayley Williams - Colour Me In (Broadcast Cover)
2. Tycho x Ben Gibbard - Only Love Will Save This Place (Demo Version)
3. R.E.M. - Begin The Begin (Live in Hampton, VA 1989)
4. Matt Berninger - In Between Days (The Cure Cover)
5. Grouplove - Hardware Store
6. Rostam - Half-Light (Acoustic)
7. Soccer Mommy - Girl Next Door (Saving Jane Cover)
8. Flume x Eprom - Nor. 7
9. clipping. - Chapter 319 (Jonathan's Full Stop Remix)
10. My Morning Jacket - Bring the Power Back Home
11. Sudan Archives - War
12. Helado Negro - Us Meeting Them
13. Death Cab for Cutie - The New Year (Live in Seattle, WA 2020)
14. Jeff Tweedy - Whisper
15. Sharon Van Etten - malibu, driving down the one (demo)
16. Weyes Blood - River (Joni Mitchell Cover)
17. Thurston Moore - L’Ephemere
18. The Decemberists - Death-Defying (Hoodoo Gurus Cover, Live in Australia 2016)
19. Tegan and Sara - God Help Yourself (Demo)
20. Best Coast - Our Deal (Live in Studio 2020)
21. Poolside x Todd Edwards - Getting There From Here (Instrumental)
22. Jamila Woods - HEAVN (Slot-A Remix)
23. Robin Pecknold - Hammond Song (The Roches Cover)
24. Beverly Glenn-Copeland - Dream On (1977 Studio Recording)
25. Devendra Banhart - Taking a Page (Demo)
26. Phoebe Bridgers - Chinese Satellite (Voice Memo)
27. Real Estate - People’s Parties (Joni Mitchell Cover)
28. Sylvan Esso - Ferris Wheel (Live In-Studio)
29. Josh Ritter - Someday (In Progress)
30. Laura Jane Grace & The Devouring Mothers - Vancouver Divorce (Gord Downie Cover)
31. Alex G - Skull Eyes (True Widow Cover)
32. Frankie Cosmos - Another Piece
33. King Tuff - Evergreen (Demo)
34. Superchunk - Political Song for Michael Jackson to Sing (Minutemen Cover)
35. Jay Som - Time Off Work
36. Angel Olsen - All Mirrors (Johnny Jewel Chamber Remix)
37. Gilligan Moss - Ultraparadíso (Campfire Edit)
38. Bhi Bhiman - Takin’ It Easy
39. Courtney Barnett - Sunday Roast (Live in Estes Park, CO 2020)
40. Preservation Hall Jazz Band - One Hundred Fires (Live in Seattle, WA 2019)

これが買えるのは、9月4日午前0時(西海岸時間)から5日午前0時まで。日本時間では、9月4日午後4時から5日午後4時となる。


このサイトから買える。
https://goodmusic2020.bandcamp.com

今回の企画は、作家のデイヴ・エガーズがエグゼクティブ・プロデューサーとなって行なわれたもので、「この秋、最後に大事になるのは、いかに投票権を守るのかということになる。そのために『Fair Fight』の仕事が大変重要となる。それでミュージシャンに未発表曲を提供してもらい、それをみんなにいくらか出して買ってもらい、お金を集めることでなんとか僕らの民主主義が機能するようになるのではないかと思ったんだ」と語っている。

『Fair Fight』はジョージア州など始め全米で選挙が公平に行なわれるように働きかけている団体だ。現在、コロナ禍で郵便による投票が奨励されている中、郵便局の資金が足りなかったり、黒人が住んでいる地域の投票所が極端に減らされ5時間も6時間も待たないと投票できないという不平等が起きている。

アメリカの国民は今、自分が公平に投票できないかもしれないという不安にかられているのだ。これぞ、民主主義の崩壊であり、この企画はそれを守るために行なわれている。

https://fairfight.com/fair-fight-2020/

アルバムのジャケットを手がけているのは、シャパード・フェアリーで、彼のBandcampでは限定ポスターが販売され、その売り上げは、人種差別のために闘うネット最大の団体『Color Of Change』に寄付される。

ビリー・アイリッシュ

公平な選挙と言えば、ビリー・アイリッシュも、『Power The Polls』という団体のために呼びかけをしていた。


「みんな今回の選挙がどれくらい大事か分かってると思うし、1票1票がすごく大事になる。だけど、この重要な時に、全国で(コロナ禍の影響で)投票所で働く人達の数が足りないという事態が起きている。

もし代わりに働く人達が見つからなかったら、投票所が少なくなり、投票できる場所の列はすごく長くなることもあり得る。特に低所得者や黒人など、白人以外の人達が住む地域でそういうことが起き、そのせいで、票が拒否されるというようなことが起きたりする。もしすでに『Power The Polls』に参加表明してくれていたら、私達の民主主義を守ってくれてありがとう。もしまだでも遅くはないから、今日、参加表明して欲しい。あなた達のコミュニティで、投票権を行使する助けになった上に、手伝えばお金を払ってもらえる。つまり、私達の未来を守るために、お金を払ってもらえるということ」


ANOHNI

ANOHNIがプロテストソングを発表。“R.N.C. 2020”というタイトルで、先日行なわれた共和党大会を見て作った曲だ。


この曲に関して、ANOHNIはガーディアン紙にエッセイを書いている。
https://www.theguardian.com/music/2020/sep/03/anohni-on-her-new-track-rnc-2020-its-me-screaming-in-the-past-for-the-present

「この曲は、共和党大会で示されていた恐怖と嫌悪から生まれたもの」


「この曲のサウンドはかなり粗い。ループで使われているのは、私が20代の時にNYのクラブでやったもの。つまり、それは未来のための……過去の叫びというわけ。

みんな、これから先進んで行く、現状とは違う道を頭に描くことができる? 私達みんなが今フォーカスしなくちゃいけないのはそれだと思う。私達が持っているものすべてをかけて」


ANOHNIのBandcampはこちら。前回はボブ・ディランニーナ・シモンのカバーを発表していた。
https://anohni.bandcamp.com/

ニール・ヤング


ボブ・ディランのカバーと言えば、ニール・ヤングがボブ・ディランのカバー“時代は変わる”を正式に発表している。
https://neilyoungarchives.com/info-card?track=t2020_0623_01
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